内容紹介
ナポレオンは名前こそ知られているものの、その実像を多くの日本人は知らない。彼は何者であり、何をなしたのか。最新の研究動向を取り入れつつ、わかりやすくその生涯を説き明かす。彼は政治家であると同時に軍人であり、戦場での勝利が政治権力の基盤でもあった。政治と戦争の一致こそ、彼が築き上げた体制の精華である。政治、経済、宗教、ナポレオン伝説に結実する宣伝戦略に加え、その作戦指揮や戦術の革新を取り上げる。
著者からのコメント
フランスの偉人で、ナポレオンほど日本とフランスでイメージが違う人も珍しい。この本は、そのあたりをどう伝えていこうか、という関心から企画が出発しました。著者本来の専門である宗教社会史の研究成果は、第4章に盛り込んでいます。その他の章やコラムを執筆する上では、長く続けてきた「半ば趣味的な活動」の成果が大いに役に立ちました。学者が「本気かつ全力で楽しんだ結果」として、こういう本が仕上がるという意味でも、面白く読んでもらえるのではないかと思います。また、ナポレオン体制二百周年を迎えた1999年から2015年にかけて、フランスではナポレオン再評価の気運が高まりました。そのおかげで、ほとんど誰も見たことがないような珍しい図像が続々と世に出ました。時宜を得て、この本が充実した内容となったことは幸いでした。
外部リンク
〔出版社〕河出書房新社の紹介ページ