2024.2.20

精神障がいのある人を排除する社会でよいのか

国際比較調査からみる人間の価値
著者名:
樋口麻里 著
文学院・文学研究院教員:
樋口 麻里 ひぐち まり 教員ページ

内容紹介

統合失調症または双極症などの精神障がいのある人々が、医療技術の発展した国においても社会の周縁での生活を余儀なくされている、あるいはされやすいのはなぜなのか。
この問いに対して本書では、精神障がい当事者の方々、そのご家族、医療福祉従事者、一般の人々の4つの集団を対象に、日本とフランス、日本とベトナムといった精神医療制度の類似する/異なる地域間での質的および量的な社会調査データを用いてアプローチします。

著者からのコメント

精神障がい/精神疾患のある人と聞くと、何となく距離を取りたいと思ってしまったり、「その人たちが社会の周縁で暮らすのは仕方がない」と、排除を容認してしまったりするのはなぜなのか。どのような社会的な条件があれば、排除の許容から脱して、精神障がい/精神疾患のある人を社会に必要なひとりの人として包摂する社会へと近づけるのか。そのヒントを質的調査、量的調査の社会調査を駆使して探索しました。
社会的排除や社会的マイノリティの尊厳、社会調査法にご関心のある方に広くお手に取っていただければ幸いです。

<刊行後の反響>

書評

ISBN: 9784779517747
発行日: 2024.2.20
体裁: A5判・260頁
定価: 税込6,600円
出版社: ナカニシヤ出版
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

はじめに
第1章 社会的排除の議論からも排除される精神障がいのある人
第2章 精神障がいのある人に対する社会的受容と知識の効果:日本とベトナムとの比較
第3章 精神障がいのある人の回復過程と回復を支える「健常者もいる社会」
第4章 家族の葛藤:家族のケア役割と疾病観の日仏比較
第5章 精神障がいのある人の社会的包摂の可能性:フランスの医療機関とアソシアシオンのケア実践
第6章 精神障がいのある人と隣り合って暮らすことを支持する社会意識:計量テキスト分析による日仏比較
第7章 社会的包摂概念の発展を目指して:「労働による連帯」から「ユマニテと労働による連帯」へ
資料 フランスの精神医療の特徴とアソシアシオン