内容紹介
私たちが学んでいる英語は、古くはドイツ語、オランダ語、北欧スカンジナヴィアの諸言語などと同一の言語でした。本書では約三千年前にさかのぼり、南アフリカ、中近東、シベリアまで含めて、ゲルマン諸語の歴史と現在を解説します。絶滅が危惧される危機言語にも十分に配慮し、言語構造と社会的背景の両面を解き明かします。8つの現代語について文字と発音の対応表も載せましたので、地名や人名の読み方の参考にもなるでしょう。
著者からのコメント
総話者数4億5千万人ともいわれるゲルマン語は、近世以降の日本の歩みを支えてきた牽引力でもあります。オランダ語は鎖国下の江戸時代に蘭学を通じて貴重な情報をもたらし、ドイツ語は西洋科学の受容と近代国家形成の要でした。そして、英語は現代のビジネスマンに不可欠なコミュニケーション手段になっています。
グローバル化の現代と言われますが、その意味するところは、様々な文化的背景を背負った異質な人々が頻繁に往来する時代を迎えたという点にあります。私たちになじみの深い英語と起源を同じくするゲルマン諸語は、6千とも7千とも言われる地球上の諸言語のほんの一握りでしかありません。本書を通じて、人類が育んできた言語文化の遙かな広がりと重みの一端を感じ取っていただければと願っています。
★第11回日本独文学会賞の受賞対象図書
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外部リンク
〔出版社〕三省堂の紹介ページ