2025.3

徳勒茲, 或喜悦的電影学

Cinema Studies with Pleasure
著者名:
応 雄 著
文学院・文学研究院教員:
応 雄 いん しおん 教員ページ

内容紹介

中国語で書かれた本書の題目を日本語に直すと、「ドゥルーズ、または悦びの映画学」になります。本書は、ドゥルーズが『シネマ』で展開した映画論を中心に考察する「上篇」と、その映画論を踏まえて複数の作家作品を論じた「下篇」の二部構成となっています。スピノザが『エチカ』で示した、諸々の感情を定義づける三つの基礎的なもの(悦び、悲しみ、欲望)から躊躇なく「悦び」を本書のキーワードとして使わせていただきました。

著者からのコメント

本書の使用言語が日本語でなくて日本語読者には申し訳ないのですが、優れた映画を観るときの感動、ドゥルーズの論考を読むときの感動、本書にまとめられた諸篇はこの二つの感動のもとで書かれました。

ISBN: 9787545730708
発行日: 2025.3
体裁: 三十二開
定価: 68.00元
出版社: 山西出版伝媒集団・三晋出版社
本文言語: 中国語

〈主要目次紹介〉

目次を日本語に直すと、次のようになります。

 

『アデュー・フィリピーヌ』, ボンジュール、ロジエ――序文に代えて

上篇 理論と方法 ドゥルーズの映画論
第一章 ドゥルーズ『シネマ1』における運動イメージ
第二章 ドゥルーズ『シネマ2』における時間イメージ
第三章 ゴダール、アクション、未来
第四章 感情イメージの「発生的要素」――「顔=クロースアップ」から「任意空間」へ
第五章 ドゥルーズのオーソン・ウェルズ映画論――人物論、ニーチェ、未来
第六章 オーソン・ウェルズ映画における「視覚的建築」――バザン、ドゥルーズ、ライプニッツ
第七章 「言語」と「映像」、または「文学」と「映画」――費穆、ブレッソン、ランシエール

 

下篇 批評と実践 作品、または感性の論理
第八章 映画学 美と感動の論理を記述する
第九章 別の世界の美、清廉、正義――ジャン・ヴィゴと水
第十章 張徹映画における運動
第十一章 「小さな西部」――アンソニー・マンの西部劇における「地形」と微分的行動
第十二章 『ドライブ・マイ・カー』――「正しく傷つく」こと、正しく発語すること
第十三章 三宅唱 「ショット」の倫理

 

付録
1 生の鮮烈さと方向性をもった折れ線 溝口健二
2『徳勒茲, 或喜悦的電影学』著者インタビュー