2025.2.20

POE’S PERFECT CRIMES

Hidden Plots in the Dupin Stories and Others
著者名:
Yasuhiro Takeuchi
文学院・文学研究院教員:
竹内 康浩 たけうち やすひろ 教員ページ

内容紹介

 中身は新潮選書の『謎ときエドガー・アラン・ポー』とだいたい同じですが、この英語版は学術書なので注が多く、読みやすさよりも議論の精密さを優先しています――と言えば格好のつけすぎで、ようするに、ねちねち度が増していて、あまり面白くない(笑)想定読者は研究者や院生を主とするアカデミックな、すなわち我慢強い、読者層です。日米の出版社で権利の調整をするのは本当に大変な作業でしたが、今ではよい思い出です。

著者からのコメント

 2019年、私のハックルベリー・フィン論が、アメリカのとある文学賞の受賞を逃したとき、記者さんたちから「次の本はいつ出ますか?」と問われました。その時すでに、このポー論の構想が頭にあったので、「あと3年ぐらいですかね」と答えたのですが、甘すぎる見通しで、もう6年経ってしまいました。とかく人生は計画通りにいきません。「狙うな!狙うから外れるんだ」と弓聖・阿波研造は言いました。少なくとも、もうこの時点でこの本は狙い通りに進んでいないので、ならばかえってよいのかも、と期待しています。

ISBN: 9781476696003
発行日: 2025.2.20
体裁: ソフトカバー(6×9インチ)、195頁
定価: 55.00USD
出版社: McFarland & Company
本文言語: 英語

〈主要目次紹介〉

1. A Premature Revelation: Poe’s Deliberate Error as a Clue
2. Challenging the Narrator: His Contradictions and Inconsistencies
3. A Second Corpse: Cracking the Perfect Murders
4. A Fatal Blind Spot: The Narrator’s Double in His Narrative
5. Detecting the Detective: The Ape’s Double in “The Murders in the Rue Morgue”
6. Taking Turns: “The Purloined Letter” as a Game of Analogy
7. The Original and the Copy: The Pitfalls in Analysis in Poe’s Tales of Reincarnation