2007.6.15

〈アメリカ人〉境界とラティーノエスニシティ

「非合法移民問題」の社会文化史
著者名:
村田 勝幸(著)
文学院・文学研究院教員:
村田 勝幸 むらた かつゆき 教員ページ

内容紹介

「メキシコ人移民は麻薬と犯罪を持ち込むレイプ犯」。2016年の大統領選に出馬したドナルド・トランプは、不法移民(=非合法移民)を念頭にそう糾弾した。だが、非合法移民が問題化されたのはこれが初めてではない。本書は、1970年代から1980年代にかけて非合法移民が社会問題として規定されていく歴史プロセスと、かれらを排除/包摂することで変容するラティーノ(=ヒスパニック)のエスニシティを社会文化史的に分析しようという試みである。

ISBN: 9784130261319
発行日: 2007.6.15
体裁: A5判・263ページ
定価: 本体価格5,800円+税
出版社: 東京大学出版会
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

序 ラティーノの問題化と「非合法移民問題」の再燃/再演
第1章 「人種化されたネイティヴィズム」の史的背景―一九世紀末から二〇世紀初頭における移民・人種・同化
第2章 分析枠組みとしての「シヴィック・ネイティヴィズム」―二〇世紀後半における人種・エスニシティ論の展開
第3章 「非合法移民問題」の展開と利害対立の構図―一九八六年移民法の制定過程
第4章 LULACのエスノ・ポリティックス―「非合法移民問題」との出会いと「われわれ」の再編成
第5章 非合法移民擁護組織CASAの挑戦と挫折
第6章 「われわれ」意識の形成と揺らぎ―チカーノ運動、セサール・チャベス、「非合法移民問題」
結語 ラティーノ・エスニシティの多声性を理解するために