2018.11.10

川島雄三は二度生まれる

著者名:
川崎公平 北村匡平 志村三代子 編
文学院・文学研究院教員:
川崎 公平 かわさき こうへい 教員ページ

内容紹介

『幕末太陽傳』や『洲崎パラダイス 赤信号』、『しとやかな獣』などで知られる、日本映画史上の鬼才・川島雄三監督。その生誕100年を機につくった本です。気鋭の論者たちが、川島の作品群を多角的に論じています。若尾文子さんと山田洋次監督の貴重なインタビューも必読です。

著者からのコメント

川島雄三の映画は面白い。戦後日本映画において何か重要な存在であるような気もする。しかし、その面白さや重要性は、どうにも表現することが難しい……。そんな川島雄三の映画の魅力や特異性について、本書ではさまざまな方向から言語化されています。
ぜひ、本書を脇に置きながら、川島雄三の映画を堪能してほしいです。
個人的には、とにかく若尾文子さんにインタビューできたことが、一生の思い出になりました。

ISBN: 9784801003774
発行日: 2018.11.10
体裁: B6判・346ページ
定価: 本体定価 3,200円+税
出版社: 水声社
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉


川島雄三におけるロートレアモン主義―『愛のお荷物』を中心に 四方田犬彦
思想からの積極的逃避―川島雄三と風俗映画 具珉ナ
『女であること』、あるいは川島雄三であること 菅野優香
笑劇とスクリューボール・コメディー―東宝時代における川島雄三の二つの喜劇 ヨハン・ノルドストロム
破滅した「人間宣言」―『グラマ島の誘惑』における天皇および天皇制風刺について 角尾宣信
やとわれ監督はかく抗議する―『接吻泥棒』に見る川島雄三の転覆性 斉藤綾子
コラム①ああいう映画に出るのは死ぬほど悔しい(下村健)

 


川島雄三の女たち 上野昻志
疾走/喧嘩する「三十娘」―川島映画のなかの淡島千景をめぐって 志村三代子
異色のヒロインの可能性―川島映画における左幸子 鳩飼未緒
フランキー堺はフレームを越える―川島映画における〈壊乱〉と運動感覚 北村匡平
コラム②ベンゲットとあのひとの間(山本一郎)

 


川島雄三の〈分裂〉と攪乱―その空間設計と可動性 北村匡平
川島雄三の音響空間―ジャズ、便所、洲崎パラダイス 長門洋平
川島雄三とメディアの戦後―新しい日本映画史のために渡邉大輔
約束と媒介―川島雄三監督作品における未来のイメージ川崎公平

 

若尾文子インタビュー 女優としての転機に
山田洋次インタビュー 鋭さと優しさと

川島雄三フィルモグラフィ