2024.07.30

個性的な

著者名:
オルガ・トカルチュク文 ヨアンナ・コンセホ絵 小椋 彩訳・解説
文学院・文学研究院教員:
小椋 彩 おぐら ひかる 教員ページ

内容紹介

印象的な顔の人がいた。みなに愛され、顔の画像がネットに溢れた。ところが自撮りを繰り返すうち、顔は輪郭を失ってしまう。意を決した主人公はある行動に出るが…。はたしてかれは、新鮮なじぶんの顔をとりもどすことができるだろうか。特別な存在として、ふたたび輝くことができるだろうか。『迷子の魂』につづくコンセホとの共作で、美しい造本が魅力のひとつ。ソーシャルメディア時代にわたしは「わたし」とどう向きあうかを問う、現代のおとぎ話。

著者からのコメント

本書がSNSの弊害を語っていることはたしかですが、その眼目はコマーシャリズムやテクノロジーへの疑念にのみあるわけではありません。執筆の根底には、トカルチュクがたえず関心を抱いてきた人間のアイデンティティ(「わたしはわたしである」)について、存在や経験の一回性について、またそれらをいかに語るかという、作家ならでは問題意識があるようです。投げ込みの解説に作家・画家インタビューも引用しておりますので、あわせてご覧のうえ、ぜひ「じぶん」と向き合うきっかけにしていただきたいです。

ISBN: 9784000229814
発行日: 2024.07.30
体裁: A4変判・62ページ
定価: 本体価格 3,000円+税
出版社: 岩波書店
本文言語: 日本語