内容紹介
あるところに、とても忙しいビジネスマンがいた。ある夜、出張先のホテルで目覚めて異変に気付く。医者に行くと、こう告げられる。「あなたは魂をなくしている」。そこでかれは、ちいさなコテージにとどまり、自分の魂を待つことにする―。
忙しすぎる現代人に、本当に大切なものはなにかを問いかける寓話的物語。ポーランド出身フランス在住の人気画家ヨアンナ・コンセホのイラストが魅力的。2018年ボローニャ・ラガッツィ賞受賞作。
著者からのコメント
本書冒頭、主人公ヤンは、カフェでだれとも視線を合わすことなく、うつろな顔で腰かけています。ところが、しずかに座って魂を待つと決心すると、周囲の世界は色と命を取り戻し、やがて魂との再会にいたります。
トカルチュクの詩的テクストに寄り添うコンセホのやさしい画は単なる挿絵ではなく、ときに言葉よりも雄弁に、わたしたちに多くのメッセージを伝えてくれています。
ぜひ手にとって、ページをゆっくりめくってみていただきたい本です。
外部リンク
〔出版社〕岩波書店の紹介ページ