内容紹介
ドルノ・シロンスクの国境の村タシュフ付近にあるという、ポーランドの架空の村プラヴィエクを舞台に、84の断章で描かれる神話的物語。第一次世界大戦に始まり、社会主義体制の終焉まで、人々の日常の生活を通して、ポーランドの激動の20世紀が浮かび上がる。
著者からのコメント
ポーランドの激動の20世紀を描く、とはいえ、歴史へのアプローチの仕方が特徴的です。主要な登場人物に、英雄や有名人はいません。戦争も、ホロコーストも、スターリニズムも、連帯運動も、それら「大文字の歴史」はこの小説では、ごくふつうの人間たちの暮らしにとっての「背景」です。
1996年に出版されると、数々の高い評価を受けて国内で多くの読者を獲得、国外でもたちまち20か国語以上に翻訳され、芸術的にも商業的にも、トカルチュクの作家としての地位を決定づけました。ヨーロッパの旧共産圏で同時期に出版された小説のなかでも最重要作品のひとつに数えられています。
外部リンク
〔出版社〕松籟社の紹介ページ