2018.07.31

教育と社会階層

ESSM全国調査からみた学歴・学校・格差
著者名:
中村 高康、平沢 和司、荒牧 草平、中澤 渉(編)
文学院・文学研究院教員:
平沢 和司 ひらさわ かずし 教員ページ

内容紹介

どんな家庭で育ったか、学校ではどんな経験をしたか、それらが学歴や職業とどう関連しているか、ひいては子どもへの教育に影響しているかなどに関して、2013年に実施したESSMデータに基づいて、多様な視点から分析した研究書である。これまで定量的な研究が少なかった「いじめ」体験や、専門学校などについても考察されている。

著者からのコメント

ESSM調査は、2013年に30~64歳であった男女4,800人を全国から層化2段無作為抽出法で抽出し、郵送配布・訪問回収した自記式調査である。回収率は60.4%であった。対象者のほかそのきょうだいと子ども、親についても受けた教育をくわしく尋ねた点に特徴があり、SSM調査と比べて学校経験に関する情報が多く含まれている。著者(平沢)は序章と6章を執筆した。2015年に実施されたSSM調査に関する研究書(『シリーズ少子高齢社会の階層構造1~3』東京大学出版会)と併読すると、より理解が深まると思われる。

ISBN: 9784130501934
発行日: 2018.07.31
体裁: A5判・246ページ
定価: 本体価格4,400円+税
出版社: 東京大学出版会
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

  • 序章 教育と社会階層の調査:ESSM2013の概要
  • 1章 就学前教育と社会階層:幼稚園・保育所の選択と教育達成との関連
  • 2章 学校における「いじめ」体験と社会階層
  • 3章 戦後生まれコーホートの教育体験の潜在構造:その規定要因と教育達成・教育意識への影響
  • 4章 男女における専門学校進学の意味:「変容モデル」再考
  • 5章 大学進学率の上昇とメリトクラシー
  • 6章 世帯所得・親学歴と子どもの大学進学
  • 7章 子どもの教育達成に対する家族・親族の影響:オジオバの学歴と男女差に着目して
  • 8章 親の教育意識の類型と子どもに対する教育期待:潜在クラスモデルによるアプローチ
  • 9章 高学歴社会における「学校教育の意義」:学校経験に対する人々の認識をもとに
  • 終章 教育と社会階層をめぐる諸問題:ESSM2013から見えるもの