内容紹介
この本は『文化人類学と現代民俗学』(風響社、2019年)の韓国語訳です。民俗学関係の本の出版で定評のあるソウルの民俗苑から、「学術文庫044」として刊行されました。歴史的に見て、文化人類学と民俗学は密接な関係にありながら、今日、両分野は日本でも韓国でも研究・教育の場が分かれています。日韓の例を所々に使った本書は、文化人類学と民俗学そして日本と韓国の懸け橋となることでしょう。
著者からのコメント
拙著『ネイティヴの人類学と民俗学:知の世界システムと日本』(弘文堂、2008年)で論じたように、学問には「世界システム」とでも言うべきものがあります。私の専門の文化人類学の場合、その中心は英米仏で、その他の国や地域は日本を含めて周辺に置かれています。中心と周辺の関係は、情報が中心から周辺へと流れ、その逆は少ないという一方通行の状態にありますが、それなりの交流はあります。しかし、周辺と周辺の関係は、たとえ隣国であっても弱く、お互いにどのような研究をしているのかさえ知らないのです。本書がそうした状況を少しでも改善するきっかけとなれば幸いです。
外部リンク
〔出版社〕民俗苑のページ