2015.11.16

「もの」交易の古代北方史

奈良・平安日本と北海道・アイヌ
著者名:
蓑島 栄紀(著)
文学院・文学研究院教員:
蓑島 栄紀 みのしま ひでき 教員ページ

内容紹介

古代北海道・アイヌ社会の生み出すさまざまな特産品は、近隣の王権・国家の支配者たちに渇望され、広い範囲を行き交った。各種の「もの」と交易の実態に迫り、ユーラシア東方の歴史のなかで北方史・アイヌ史の位置づけを考える。

著者からのコメント

ワシの羽根、クロテンの毛皮など、古代北海道やサハリンの産物は、倭・日本や東アジア諸地域の王・貴族・武士らに珍重され、『源氏物語』や『平家物語』、『吾妻鏡』などにも多くの記述をみることができます。本書は、これらの「もの」をめぐる文献史料の検討を中心に、考古学の成果も参照しながら、古代ユーラシア交流史の一齣としての北方交易の実態を明らかにします。また、拡大してゆく交易と、アイヌの歴史・文化や精神との相互関係について考察します。

ISBN: 9784585221333
発行日: 2015.11.16
体裁: A5判・363ページ
定価: 本体価格7,000円+税
出版社: 勉誠出版
本文言語:

〈主要目次紹介〉

  • 序論 「もの」研究の潮流と古代北方史―問題の所在と分析視角―
  • 第一部 通史:交易・交流からみた古代北海道史
    Ⅰ 古代日本と北海道・東北北部の交易・交流
    Ⅱ 古代北海道とサハリン・北東ユーラシアの交易・交流
  • 第二部 「北の財」が結ぶ古代日本と北海道・アイヌ
    Ⅲ 平安貴族社会とサハリンのクロテン
    Ⅳ 古代北海道の太平洋側内陸部におけるシカ皮とワシ羽
    Ⅴ 「粛慎羽」再考―平安期における「北の財」とエゾ認識―
    Ⅵ 古代の「昆布」と北方社会―その実態と生産・交易―
  • 結論 「もの」と交易の古代北方史―まとめと展望―