2019.04.30

年号とアジア

改元の思想と文化
著者名:
水上雅晴(編)、髙田宗平(編集協力)、近藤浩之(分担執筆; 第一部、附録担当)
文学院・文学研究院教員:
近藤 浩之 こんどう ひろゆき 教員ページ

内容紹介

年号から読み解く東アジアの文化と思想というテーマで、多彩な分野の専門家が一堂に集結し、日本・中国・朝鮮半島・ベトナムなど漢字文化圏における年号について、その具体的な様相や、選定の手続き、為政者の思惑等々を、多様な視点で調査し読解し考察した、その研究成果の集成である。(本書カバーより、一部修改)

著者からのコメント

編者の水上雅晴先生(中央大学文学部教授)は、生まれも育ちも北海道であり、出身大学も北海道大学文学部・大学院文学研究科であり、さらに北海道大学文学部助手・助教を経ていて、北大に縁の深い研究者です。本書は主として、水上先生を代表者とするJSPS科研費・基盤研究(B)「年号勘文資料の研究基盤の構築」(15H03157)及び国立歴史民俗博物館・共同研究「廣橋家旧蔵文書を中心とする年号勘文資料の研究」による研究成果の一部であり、研究分担者として共同で研究した小職(近藤浩之)の成果も含んでいます。
「【カラー口絵】年号を決める」に掲載された写真・図版の多くは、国立歴史民俗博物館にて平成29年9月20日から10月22日にかけて開催された特集展示「年号と朝廷」に陳列されたものです。本口絵欄では、第一幕「時に名前をつける」、第二幕「年号を決める人々」、第三幕「年号の決め方」、第四幕「年号と漢籍」と四つのコーナーを設け、貴重な資料を適確な解説付きで、配置してあります。この美しいカラー口絵は、当時の博物館展示をそのまま彷彿とさせる内容で、見ているだけで各資料と対話をしながら、年号文化やその担い手たちに思いを馳せることができ、楽しくなります。
第一部「文字・言葉・記録」にある共著の論文「金沢文庫本『群書治要』移点の意味」は、辛酉革命の改元(1261)に先立ち、鎌倉執権家が年号字選定に関心をもち、北条実時が清原教隆に命じて『群書治要』の移点(ヲコト点などを転写すること)を行わせたことについて論じています。
附録にある「続群書類従 改元関係記事索引」は、『続群書類従』第十一輯上の巻279~巻291に収録する改元関係記事の年号索引であり、これにより 年号関係資料の検索利便性が格段に向上するはずです。その筋には案外、スグレモノだと思います。

ISBN: 9784840622271
発行日: 2019.04.30
体裁: A5判・792ページ
定価: 本体価格 12,000円+税
出版社: 八木書店
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

【カラー口絵】年号を決める―記録・文書・漢籍―
第一部 文字・言葉・記録
第二部 朝鮮・ベトナムと年号
第三部 年号と正統性
第四部 「時」の支配
第五部 改元の思想的要素
第六部 年号と時間
第七部 資料紹介
附録