2014.11.30

黒沢清と〈断続〉映画

著者名:
川崎公平 著
文学院・文学研究院教員:
川崎 公平 かわさき こうへい 教員ページ

内容紹介

現代日本を代表する映画作家・黒沢清について、そのホラー作品を中心に論じています。「断続」をひとつのキーワードにしつつ、黒沢の作品における関係や存在のあり方を綿密に分析しました。取り上げた作品は、『CURE』、『回路』、『降霊』、『ドッペルゲンガー』、『LOFT』、『叫』です。

 

著者からのコメント

博士論文をもとにした本です。が、これを書いているときは研究者として「お先真っ暗」状態で、この本を出したらもうやめようと思っていました。なので、ある程度自由に、好き勝手なことを書いています。しかし結果として、この本を出したことによって、その後の人生が変わりました。
黒沢清の2000年代の作品を中心に論じている本ですが、その後の黒沢清のことや、いわゆる「Jホラー」のことを考える上でも、いまだに有益だと勝手に自負しています。

ISBN: 9784801000728
発行日: 2014.11.30
体裁: A5判・376ページ
定価: 本体定価5,000円+税
出版社: 水声社
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

序章 二重性の二重化
第一部〈関係〉の重層―『CURE』をめぐって
第一章 媒介者の肖像―『CURE』の系譜
第二章「断続」をめぐる闘争―「関係」の映画としての『CURE』

 

第二部〈非‐人間〉と〈断言〉の未来―ホラーのリミット
第三章「決定」をやりなおす―『回路』の壁の染み
第四章 根拠なき分身―『降霊』から『ドッペルゲンガー』へ

 

第三部〈過去〉の明滅―出会いの準備
第五章 事後の光―『LOFT』と「過去」の問題系
第六章 記憶喪失者のフラッシュバック―『叫』における「出会い」と「断続」
終章「戦い」をはじめなおすために