内容紹介
冷戦の終焉が迫るなか、ひとりの23歳の黒人大学院生がアラバマ州バーミングハムにいた。彼は散逸した史料を渉猟し、関係者への聞き取りで空白を埋めて大恐慌期アラバマの労働史、とりわけ黒人労働者とコミュニストの関係に注目した歴史を紡ぎ出した。本書は、「1930年代のアラバマについての歴史」にとどまらない。人種や階級、ジェンダー等の連動性ないし交差性を考える鍵や、歴史理解自体をめぐる重要な示唆がそこにある。
著者からのコメント
“古典”に帰れ!
アメリカ歴史家協会エリオット・ルドウィック賞など多く受賞したオリジナル版の刊行から30年以上も経つ本書は、ロビン・ケリーの数ある著書のなかでも最もリアクションが多いという。翻訳は2015年に刊行された25周年記念版を基としているが、本書は新たに「日本語版への序文」を収録している。「インターセクショナリティ(交差性)」も、BLM(ブラック・ライヴズ・マター)で知られた「警察の残虐行為(ポリス・ブルタリティ)」も、理解の鍵は歴史にある!
外部リンク
〔出版社〕彩流社