2022.01.26

「生きること」問い

歴史の現場から
著者名:
大門 正克、長谷川 貴彦 編著
沢山美果子、大月英雄、大川啓、中村一成、鬼嶋淳、佐々木啓、高岡裕之、倉敷伸子 執筆
文学院・文学研究院教員:
長谷川 貴彦 はせがわ たかひこ 教員ページ

内容紹介

歴史のなかに「生きること」を問うことはいかにして可能か。書かれたことから、聞き取ったことまで、多彩な史料を読み解き、人びとが「生きること」にどう向き合ってきたのか。そうした問題に新たな光をあてる本書は、日本の近世から現代までの個別事例に即して検討し、それらをイギリス(ヨーロッパ)と日本の歴史的比較のなかに位置づけ、広く内外の学界に問題を提起するものである。

著者からのコメント

新自由主義の時代と歴史学の認識論的な再審が重なり、過去に生きた人々を改めて根源的に捉え直そうとする機運が高まっている。こうした問題関心のもとに、本書は「「生きること」の問い方」に照準を合わせたものである。具体的には、①過去の人々の「生」をめぐる構造と主体の関係性、そして両者が絡み合うプロセスを検討して、「生きること」の多様な存在形態を探り、②現在を生きつつ過去に問いかける主体(歴史家)であることを自覚し、③検証の過程としての史料読解の契機を重視して、自らの「問い方」を発展・深化させることを課題としている。

ISBN: 9784818825956
発行日: 2022.01.26
体裁: A5版・352ページ
定価: 本体価格4700円+税
出版社: 日本経済評論社
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

序 論 歴史のなかで「生きること」を問う
第1部 近世から近代へ
第一章 女・子どもの「いのち」を守る社会的紐帯の形成
第二章 「結社の時代」を生きる――伊香西浅井郡相救社の設立
第三章 近代民間福祉の出発――明治前期の秋田町を対象として
第四章 近代日本を漁業出稼ぎで生きる
第2部 近代から現代へ
第五章 東北大凶作を生き延びる
第六章 生きる術としての示威行動(デモンストレーション)
第七章 山間(やまあい)の地で生きること
第八章 共同的記憶がつくる「民主主義」
おわりに