内容紹介
歴史のなかに「生きること」を問うことはいかにして可能か。書かれたことから、聞き取ったことまで、多彩な史料を読み解き、人びとが「生きること」にどう向き合ってきたのか。そうした問題に新たな光をあてる本書は、日本の近世から現代までの個別事例に即して検討し、それらをイギリス(ヨーロッパ)と日本の歴史的比較のなかに位置づけ、広く内外の学界に問題を提起するものである。
著者からのコメント
新自由主義の時代と歴史学の認識論的な再審が重なり、過去に生きた人々を改めて根源的に捉え直そうとする機運が高まっている。こうした問題関心のもとに、本書は「「生きること」の問い方」に照準を合わせたものである。具体的には、①過去の人々の「生」をめぐる構造と主体の関係性、そして両者が絡み合うプロセスを検討して、「生きること」の多様な存在形態を探り、②現在を生きつつ過去に問いかける主体(歴史家)であることを自覚し、③検証の過程としての史料読解の契機を重視して、自らの「問い方」を発展・深化させることを課題としている。
外部リンク
〔出版社〕日本経済評論社の紹介ページ