内容紹介
日本語は、ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字等、世界的にも珍しい多文字種環境を有している。これだけ文字論のテーマにはめぐまれているのに、文字研究はあまりメジャーだとは言いがたい。本書は,広範なテーマで最新の文字研究をリードする貴重な論文集となっている。
古来、日本人にとって「文字」は、意思疎通のための情報ツールであると同時に、彼我の文化に架橋するための媒体であった。その文化的・文献学的な特質が文字には染みこんでいる。本書は、古代から現代までを視野に「書く」「読む」「学ぶ」「残す」という文字の諸機能に着目し、日本語における「文字論」の豊穣な世界を示す初めての一冊である。
著者からのコメント
2020年度末をもって北海道大学をご退職になる池田証壽名誉教授のための記念論文集ですが,内容は多岐に亘り,形式的な記念論文集とは言えない,広範で高度な研究書になっています。編者の加藤重広(北大)・岡墻裕剛(神戸女子大学)のほかに,金水敏(大阪大学)・松江崇(京都大学)・乾善彦(関西大学)・笹原宏之(早稲田大学)・小助川貞次(富山大学)・白井純(広島大学)・渡辺さゆり(札幌大学)・萩原義雄(駒澤大学)・高田智和(国語研究所)・李媛(北海道大学)・岡田一祐(北海学園大学)・申雄哲(慶星大学)・當山日出夫(同志社大学)・佐藤知己(北海道大学)・池田証壽(北海道大学)などの論文を収載しています。扱っている内容も幅広く,文字論・文字研究と言っても,これだけの多様な拡がりがあるのか,と驚くものと思います。
外部リンク
〔出版社〕勉誠出版の紹介ページ