2018.03.25

詩の顔、詩のからだ

著者名:
阿部 嘉昭(著)
文学院・文学研究院教員:
阿部 嘉昭(名誉教授) あべ かしょう

内容紹介

「現代詩手帖」2016年度に連載された詩書月評と、「いま詩を書くこと」についてのエッセイ、2017年刊行の詩集評を集成しました。「短く書かれた詩」や現代口語短歌についての詩論的考察、詩と「文」の交錯原理の示唆など、これまでの私の詩論に、さらに新機軸を加えています。

著者からのコメント

日本の現代詩が歴史軸を失い、多様性の局面を迎えてから、数十年が経過しました。これまでのメタファー解読的な読解ではもう詩をつかむことができません。本書ではそのための解読格子として著者が提案した「換喩」「減喩」に加え、月々の詩集刊行を契機に起ち上げた、音韻化、幽邃化、老耄化などあたらしい概念を導入し、現在の詩作の諸傾向を丁寧かつ創意的に考察しています。さらには通常の「文」が詩に転化するためにはどんな引き算が要るのかも示しました。いっぽう現代口語短歌では新しい感情、新しい叙法に注目しました。取扱い詩集は多数に亘ります。この一冊で詩壇ジャーナリズムにとらわれることなく、現在の詩作のひろがり、その愉しさ・美しさをつかんでいただければ幸いです。

ISBN: 9784783738138
発行日: 2018.03.25
体裁: B6判・365ページ
定価: 本体価格3,800円+税
出版社: 思潮社
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

I詩書月評2016
II 詩の顔、詩のからだ
III 補遺と2017年詩集