2017.06.15

英語の命令文

神話と現実
著者名:
高橋 英光(著)
文学院・文学研究院教員:
高橋 英光(名誉教授) たかはし ひでみつ

内容紹介

この本は,英語の命令文を解説したものです。命令文とは「上から目線で他者に指図する」文と思われがちですが必ずしもそうではありません。本書では、英語の命令文についてあまり知られていなかった多彩な役割と日本語命令文との相違点を明らかにしました。さらに認知言語学の枠組みを用いて新しい分析法を提示しています。面白い実例が豊富ですので幅広い読者に読んで頂けると思います。

著者からのコメント

本書では読者のみなさんに学校では習わない英語の命令文の本当の姿を伝えています。著者が2012年に海外出版社から刊行した図書の内容に修正を加え、さらにその後の研究成果を取り込み、全体をコンパクトにまとめてみました。この本は2部構成で、第I部では記述的調査から理論的考察へと進み、第II部は各章が謎解きのスタイルになっています。ミステリー小説を読む時「誰が真犯人だろうか」と思いめぐらすように「この現象を引き起こす真の要因は何だろうか」と考えながら読んで頂ければと思います。適切な言語データの選択や様々な最先端の言語理論のメリット・デメリットにも触れています。認知言語学、英語学、日本語学あるいは発話行為とコミュニケーションの問題に興味を抱くたくさんの方にお読み頂ければ幸いです。

ISBN: 9784874247341
発行日: 2017.06.15
体裁: A5判・169ページ
定価: 本体価格2,200円+税
出版社: くろしお出版
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

第1章 イントロダクション
第2章 命令文の使用基盤分析:好まれる動詞と好まれる使用パターン
第3章 命令文の意味:スキーマとプロトタイプ
第4章 命令文と間接指令文:使い分け、動詞の分布、項構造、談話機能
第5章 “*Be called by Jill.”とはなぜ言えないのか:英語と日本語の受動態命令文
第6章 “Cry me a river.”はなぜ適格なのか:英語の受益二重目的語構文と命令文の融合
第7章 “*Leave now or I’ll make you a nice dinner.”とはなぜ言えないのか:命令文と非対称or構文の融合
第8章 “Wait.”はなぜ「待ってください」と訳されたのか:英語から見た日本語の命令文と依頼文