2017.04.30

堤中納言物語の真相

著者名:
後藤康文(著)
文学院・文学研究院教員:
後藤 康文(名誉教授) ごとう やすふみ

内容紹介

本書は、現存する唯一の短篇物語集『堤中納言物語』に関する既発表論文七本に、未発表の論稿一本を加えて編んだごくささやかな論文集です。各論各様ですが、本文批判の徹底と厳密な本文解釈を最優先課題とする強固な意識が全体の基調となっています。従来この作品がいかにいい加減に読まれてきたかが、よくおわかりいただけるものと思います。

著者からのコメント

 『伊勢物語』『狭衣物語』と並んで、四半世紀にわたるライフワークとなった『堤中納言物語』の研究に、ひとまず区切りをつけることができました。サバティカルを有効に活用できてほっとしています。

ISBN: 9784838604715
発行日: 2017.04.30
体裁: 四六判・248ページ
定価: 本体価格3,000円+税
出版社: 武蔵野書院
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

まえがき
1 『このついで』試論─第二話の読解を手がかりとして─
2 『このついで』篇名由来考
3 観音霊験譚としての『貝あはせ』
─観音の化身、そして亡き母となった男─
4 『ほどほどの懸想』試論─頭中将は後悔したか─
5 幻惑装置としての現存本文─『逢坂越えぬ権中納言』復元─
6 『思はぬ方にとまりする少将』ところどころ
7 『はなだの女御』の〈跋文〉を考える
─『堤中納言物語』の本文批判と解釈─
8 『堤中納言物語』書名試論
初出一覧/関連論文一覧
あとがき