2016.03.31

日本はどのように語られたか

海外の文化人類学的・民俗学的日本研究
著者名:
桑山 敬己(編著)
文学院・文学研究院教員:
桑山 敬己(名誉教授) くわやま たかみ

内容紹介

明治初期から平成の今日まで、海外には膨大な日本人・日本文化に関する語りがある。だがその存在は日本ではあまり知られていない。本書は1930年代後半から20世紀末までの期間に焦点を当てて、文化人類学および民俗学の観点から実態を解明し、新たな知見を披露する。

著者からのコメント

 執筆陣は日本人、アメリカ人、ドイツ人、中国人からなる国際的なチームである。取り上げた対象は英語圏の著作が多いが、これまで注目されてこなかった東アジア圏(中国本土、台湾、韓国)の日本研究も紹介しているのが大きな特徴である。また、とかく沖縄とアイヌはヤマトとは別の扱いを受けがちだが、本書では3地域/民族で「日本」と捉えている。さらに、20世紀前半に柳田國男が登場する以前に、どのような民俗学的語りが西洋人によってなされていたかを子細に検討している。専門書だが一般読者も十分楽しめる。

ISBN: 9784812215340
発行日: 2016.03.31
体裁: A5判 437ページ
定価: 本体価格5,000円+税
出版社: 昭和堂
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

序論 日本研究の内と外
 第 I 部 英語圏人類学の日本研究
第1章 文化人類学と『菊と刀』のアフターライフ
第2章 エンブリー『須恵村』のRe-View(再見/再考)
第3章 ビアズレーらによるVillage Japanの宗教観
第4章 「沖縄」を描くということ
第5章 米海軍『民事ハンドブック』シリーズの作成過程にみるアメリカの対日文化観
第6章 西洋の民族学的言説にみるアイヌ
第7章 語られる「日本人女性」
第8章 日本の捕鯨問題と応用人類学
 第 II 部 英語圏民俗学の日本研究
第9章 「日本」民俗学以前の事
 第 III 部 東アジア圏人類学の日本研究
第10章 中国大陸における文化人類学的日本研究
第11章 台湾における日本語の日本文化/日本人論
第12章 韓国における日本文化論の再生産