内容紹介
最初期の古典的な聖人伝であるアタナシオス『アントニオス伝』を始めとして、キリスト教著作家として著名なヒエロニュムスが著した三部作(『テーバイのパウルス伝』『ヒラリオン伝』『囚われの修道士マルクス伝』)を含み、さらに「修道制の揺籃」エジプトの中で名高い修道場だったスケーティス(現ワーディー・ナトルーン)の開山者エジプト人マカリオスの伝記をも収めた、砂漠の隠遁者にかかわる聖人伝集成。本邦初訳を含む。
著者からのコメント
聖人伝文学はキリスト教文学の中で一大ジャンルを成していると言ってよく、様々な作品が知られており、中には本書所収の『アントニオス伝』のように、多くの言語に翻訳され非常に流布した聖人伝もあります。キリスト教の精神のありようを良く証ししたものとして、聖人伝文学はもっと大勢の人々に知られてよい価値があると私は思います。本訳書がそのために充分な責務を果たせているかどうかについては、いささか(相当)心もとないものがありますが、こういう文学ジャンルが確かに存在して、(例えば神学書などよりも遙かに)多くの人々に読み継がれてきたのだ、ということは声を大にして言いたいところです。ぜひ一度、書店或いは図書館で手にとって眺めてみてください。
外部リンク
〔出版社〕教文館の紹介ページ