内容紹介
グローバリゼーションが進展し,社会が大きく変貌しつつある現在,人々のつながりや絆を再構築する宗教の役割が注目されている。本書は,そうした今日的な宗教の役割を考える狙いから,アジア諸国における仏教の社会的役割の多様な実態を明らかにし,また,その実態を規定する各国特有の政教関係(政治と宗教の関係)を検証する。
著者からのコメント
本書では,まず「はじめに」のなかで,近年脚光を浴びる「社会参加仏教(Engaged Buddhism)」という概念を手がかりに理論的な考察が示され,近代以降の世界における社会と宗教の関係や,国家と宗教の関係を捉える諸論点が整理される。「第I部 東アジア」「第II部 東南アジア」「第III部 南アジア」では,各地域の諸国における宗教事情・仏教事情に関して,法や行政制度の変遷についての情報,統計情報,フィールド調査で得られた情報などが提供され,それら諸情報に基づいた議論が展開される。「宗教と社会」学会創立20周年記念企画テーマセッションから生まれた,宗教研究の最新の成果にして,比較研究の地平を切り開いておりますので、是非ご一読をお願いします。
外部リンク
〔出版社〕北海道大学出版会の紹介ページ