内容紹介
カルト団体を脱会した方々にとって重要なのは,苦難に負けない心の強さ(レジリアンス)を育み,傷ついた自己と向き合いつつ新たな人生を切り開く回復過程です。本書は,その回復過程と,脱会者支援のあり方について考えるための1冊です。第一部「回復とレジリアンス」では,宗教社会学者や精神・心理医療従事者が,多様な視点からの考察を展開します。続く第二部「カルト臨床の事例」では,脱会支援者6名へのインタビューと脱会者6名の証言を収録しています。これらインタビューや証言は,入信から脱会に到る道のりにおいて,そして脱会後の生活においてどのように心が動き,変わっていくか,また周りの人間がその心の動きにいかに向か合うかを熟慮させてくれます。第二部では,また,インタビューをとりまとめ,本書をつくりあげた臨床心理士と研究者が集まり,座談会のなかでカルト・カウンセリングについてじっくりと議論を深めます。さらに付録として,参考となる書籍とホームページを紹介します。
外部リンク
〔出版社〕北海道大学出版会の紹介ページ