2015.03.25

平成ボーダー文化論

著者名:
阿部 嘉昭
文学院・文学研究院教員:
阿部 嘉昭(名誉教授) あべ かしょう

内容紹介

1989年におこった大小さまざまな事件をもとに、犯罪、メディア、若者、音楽、写真、女性、アダルトビデオ、マンガなどについて縦横に論じ、「平成」という時代を裏側から考察する。(オビより)

著者からのコメント

「境界」をキーワードに、社会事象とその周辺文化をかなりスリリングな手法で分析しました。一見、社会学かサブカルチャー研究の趣がありますが、アカデミックな分析手法、着眼が分析の端々に入り込んでいます。平成の年号成立以来の「若者文化」の変化と不変性を考えるのに好適な、ポップな本になっていると思います。

ISBN: 9784801000896
発行日: 2015.03.25
体裁: B6判 434ページ
定価: 本体価格4,500円+税
出版社: 水声社
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

一九八九年論
もがく仕種の可愛さこそが―「不快の快」時代の魅力的な身振りだ
「死にたい」と「殺したい」のあいだ―「十七歳」の犯罪について
全体化の虚偽、現代的自殺―入間市「ネット心中」事件について
「稀薄」がキーワード 二十代はデュシャンの泉?
人界を穿つ闇―三角みづ紀『オウバアキル』書評
境界が溶けてゆく―太陽肛門スパパーン『馬と人間』について
一点に心を集めて小さくなってゆく―九〇年代後半のゆらゆら帝国について
ロボットと性
「小さな画面」の不如意を慈しむことについて
写真都市彷徨
世界は一人の女の集約される
ネット時代の書簡
ドキュメンタリーとしてのアダルト・ビデオ
境界突破した身体がそれじたい境界化する―あとがきにかえて