内容紹介
本書は、主として中国の東南沿海に位置する福建省を地域的対象とし、14世紀の後半の明朝の時代から20世紀半ばの土地改革の時期までを扱っているが、〈福建社会〉という空間的世界を〈伝統中国〉という時間軸のなかで分析・検討を加えたものである。
著者からのコメント
本書の内容は福建の沿海地域から内陸の山区へ、〈海〉の魚課・海賊の問題から〈陸〉の抗租・公田の問題へというように、分析の対象は様々で、或いは散漫の誹りを免れないのかも知れない。しかし、私の問題関心は〈伝統中国〉の持続性との関連で福建という一地域に固有の歴史的世界を解明することにあった。また、私にとって研究に対する最大のモチベーションは史料との出会いであり、特に実地調査で訪れた福建省寧化県の謝氏家廟内で碑刻や族譜から新史料を発掘したときの高揚感はいまでも忘れることはできない。
外部リンク
〔出版社〕汲古書院の紹介ページ