内容紹介
織豊期の大名である長宗我部元親について、マイナーな雑誌などに掲載されたために手に入らない論文を中心に再掲し、あわせて編者による総論を付したもの。収録した論文は、長宗我部氏のような地域権力はもちろんのこと、統一権力である織田信長・豊臣秀吉にも関係しており、織豊期に関心を持つ人には一読の価値があると思われる。
著者からのコメント
日本史の研究は、史料があればそれでできるというものではなく、その史料に対する視角、史料の解釈、さらには史料の翻刻に至るまで、先行研究が積み重ねてきた営為の上で行なわれるものです。しかし、すべての研究者がメジャーな雑誌に論文を発表したり研究書を出版したりできるわけではなく、特に今回取り上げた長宗我部元親を対象とするような地方史では、その地域でしか知られていない雑誌に掲載された論文も多くあります。そうした成果を継承していくことを目的として本書は編纂されました。
内容は長宗我部氏に関するものがメインですが、紹介文でも書いたように、織田政権・豊臣政権論にも関係してくる内容となっております。特に今回の新稿となる総論では、本能寺の変の要因をめぐる論争によって近年著しく進展した、長宗我部元親と織田信長の関係をめぐる議論をまとめており、2014年段階での四国政治史の成果を盛り込みました。本書の校正中に長宗我部氏に関係する新たな史料が発表されましたので、またこれから研究が進んでいくと思いますが、本書はその推進剤となってくれると考えております。
外部リンク
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