2013.3.10

なぜ環境保全はうまくいかないのか

現場から考える「順応的ガバナンス」の可能性
著者名:
宮内泰介 編
文学院・文学研究院教員:
宮内 泰介 みやうち たいすけ 教員ページ

内容紹介

「正しい」しくみにもとづき、よかれと思って進められる環境保全政策。ところが、現実にはうまくいかないことが多いのはなぜだろうか? 地域社会の多元的な価値観を大切にし、試行錯誤をくりかえしながら、柔軟に変化させていく順応的な協働の環境ガバナンス(順応的ガハナンス)の可能性を探る。

著者からのコメント

この本の出発点は、まさに「なぜ環境保全はうまくいかないのか」という疑問でした。正しい科学的な見地、正しい合意形成の技法、そうしたものに従ったはずの環境保全政策、環境保全活動がなぜかうまくいかない。失敗する。そうした現場を多く見てきた私たちは、それはなぜなのか、どうすればよいのかについて、現場の多様な声を拾いながら考えました。
そこから私たちは、(1)試行錯誤とダイナミズムを保証する、(2)多元的な価値を大事にし、複数のゴールを考える、(3)多様な市民による学びを軸としつつ、「大きな物語」を飼い慣らして地域の中での再文脈化を図る、という「順応的ガバナンス」を提唱しました。
(この本は、科学研究費基盤研究(A)「アダプティブ・ガバナンスと市民調査に関する環境社会学的研究」(代表・宮内泰介、2008-2011年度)の成果です)

ISBN: 9784787713018
発行日: 2013.3.10
体裁: 四六判・352頁
定価: 本体価格 2400円+税
出版社: 新泉社
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

序章 なぜ環境保全はうまくいかないのか 宮内泰介
Ⅰ環境保全政策の何が問題なのか?
第1章 なぜ順応的管理はうまくいかないのか 富田涼都
第2章 なぜ獣害対策はうまくいかないのか 鈴木克哉

 

Ⅱ試行錯誤の現場から
第3章 希少種保護をめぐる人と人、人と自然の関係性の再構築 二宮咲子
第4章 地域環境保全をめぐる「複数の利益」 寺林暁良・竹内健悟
第5章 「望ましい景観」の決定と保全の主体をめぐって 山本信次・塚 佳織

 

Ⅲ地域社会の順応性と強靭さ(リジリエンス)
第6章 自然順応的な村の資源保全と「伝統」の位相 関 礼子
第7章 自然資源管理をめぐるサケと「ウナギ」の有象無象 福永真弓
第8章 コウノトリを軸にした小さな自然再生が生み出す多元的な価値 菊地直樹

 

Ⅳ順応的ガバナンスに向けて
第9章 環境統治性の進化に応じた公共性の転換へ 松村正治
第10章 まなびのコミュニティをつくる 清水万由子
第11章 グローバルな価値と地域の取り組みの相互作用 佐藤哲
第12章 持続可能性と順応的ガバナンス 丸山康司
終章 「ズレ」と「ずらし」の順応的ガバナンスへ 宮内泰介