内容紹介
馬が、馬どうしはもとより、人とも絆を築けるのは、豊かに備わったコミュニケーション能力があるからではないか。顔や音声で多彩な感情を表現し、相手の些細な表情や声色の変化も見逃さない。空気を読み、仲間を思いやることもあれば、嫉妬もする。このかけがえのない相棒とよりよく共生する未来のために、動物心理学にできることは何だろう。
著者からのコメント
馬は、現代の日本人にとってはあまり馴染みのない動物かもしれません。しかし、彼らは、これまで何千年にもわたって、使役動物・伴侶動物として、私たち人間の生活を支えてきてくれています。では、なぜ彼らはこんなにも人間に重宝され、かけがえのない相棒になりえたのでしょうか。その答えの1つに、彼らが持つ多彩なコミュニケーション能力を挙げられるのではないか、と考えました。
本書では、まず、そもそも馬が馬同士でどのように絆を築くのか、どのように人間の生活を支えてきたのか、という話をします。その上で、馬がもつコミュニケーション能力について、最新の研究結果を交えてご紹介しています。最後に、日本における馬の現状をお伝えし、その上で、人馬のより良い共生の未来に向けて、動物心理学の研究から馬の福祉向上にどんな貢献ができうるか、をお話しています。
本書を通して、馬の魅力が少しでも皆さんに伝わり、何だか馬に会いにいってみたいなという気持ちになっていただけたなら、幸いに思います。
外部リンク
[出版社]岩波書店の紹介ページ
