内容紹介
かつお節をめぐる300年、4000キロの旅。日本食の「伝統」と思われているかつお節は、意外にも、沖縄、ミクロネシア、植民地、グローバリゼーション、消費社会といった日本の近代の歴史と密接に結びついてきた歴史をもちます。さまざまなものを巻き込んだ一商品の歴史と、そこで奮闘してきた人びとのいとなみが描かれます。
著者からのコメント
小さな歴史、小さな社会を掘り起こすことによって、社会の見え方を変えていくことが、私の仕事だと思っています。『かつお節と日本人』では、かつお節という小さな商品が意外なまで繰り広げる叙事詩を味わっていただければと思います。仲間とともに行なった厖大な調査、厖大な資料発掘が、小さな新書にぎゅっと収められました。