内容紹介
『虫めづる姫君』で有名な現存唯一の短篇物語集『堤中納言物語』は、数多くの注釈書に恵まれた作品です。しかし、この作品の劣悪な伝存状況が災いして、そのどれもがはなはだ不十分な成果しか上げることができず、ここ30年余りは注釈作業の空白期間となっていました。本書は、そのような停滞状況を打破すべく、従来にない果敢な本文改訂案と斬新な読解案を縦横に提示した、この作品の画期的注釈書です。
著者からのコメント
ライフワークの一つである『堤中納言物語』の研究に関していえば、かつて論文選集たる『堤中納言物語の真相』(2017、武蔵野書院)をまとめましたが、今回教え子との共著でこの作品の注釈書を編むことが叶い、退職寸前で何とか区切りをつけることができました。
外部リンク
〔出版社〕新典社の紹介ページ