内容紹介
聯間空白の多い20行程度の通常詩篇集を、3~8行の短詩集で挟みこんだ三部構成。長さの如何にかかわらず、謎をふくんだ飛躍と省筆により、詩篇世界がどのように決定不能性をつうじ豊かに抒情化するかが追究された。
著者からのコメント
2018年から2020年の結実ですが、この時期、詩論を書くかわりに、詩的実践を眼目に置いていました。「換喩」「減喩」が中心原理になっていますが、「隠喩」も登場します。つねにゆっくりと再読されるため、ことばのならびに微妙な隙間を設け、音を静謐にしました。時折は短歌と異なる様相で散文を詩化する試み。白状すれば、このひらがなで書く哲学は、自分の指先で詩的先達が交錯する場でした。「ことあかり」。三部構成の終わり、2020年の短詩群では、新型ウィルス下の逼塞を、悲哀と恥辱のまま柔和にさせる身体の智慧も書かれました。
- 2021.04.03 読売新聞夕刊 詩書季評「詩を遊ぶ」にてカニエ・ナハ氏による紹介文掲載
- 2021.05.08 北海道新聞夕刊 〈道内文学 詩〉にて三角みづ紀氏による書評紹介