内容紹介
「善悪と超越」をテーマに、主に善悪の規範となった宗教的思索の起源と、超越的なものへのまなざしについて、文化的諸伝統を横断しつつ考察。キリスト教を古代哲学の文脈で正面から論じ、仏教や儒教を「思想史」ではなく哲学史の観点から検討する。さらに従来は哲学として扱われてこなかったゾロアスター教やマニ教、古代末の東方教父・ラテン教父哲学までを含め、宗教の形でこれまで扱われてきた超越的思考を、哲学史として、各地域の諸伝統を有機的連関において論じていく。
著者からのコメント
戸田 聡 准教授
私が担当した「第3章 キリスト教の成立」は、古代キリスト教史がこういう恰好で提示されたことはこれまで皆無だったろう、どうだ、というぐらいの意気ごみで書いたのですが、ネット上の反応を見る限りそういうふうな理解は皆無のようで、いささか(相当)拍子抜けしました。まあ別に良いのですが(内心は実はガックリ)、自分の今後の研究のためには多少の整理の役に立ったと、自分自身で納得するようにしています。
外部リンク
- 〔出版社〕筑摩書房の紹介ページ