内容紹介
安土城からモン・サン=ミシェルまで。漢代画像石から毛沢東図像まで。アジアから見た、古今東西の様々な図像について、好奇心いっぱい綴った、図像学の遊び人、杉原たく哉(1954-2016)の絶筆となったショート・エッセイ147篇と、その初期論文が、いま一冊になった。知の喜びを根底に宿す、杉原たく哉「図像学」の探検旅行に、いざ出発!
著者からのコメント
本学非常勤講師として1997年に集中講義を担当された、杉原たく哉先生は、2016年5月31日、ご病気のため亡くなられました。享年61歳。
杉原たく哉先生は、1954年、東京のお生まれ。早稲田大学大学院文学研究科東洋美術専攻を修了され、同学助手を経て、講師を勤めておられました。ご専門は中国古代美術史です。
2005年の第57回日本中国学会・北大大会においては、シンポジウム「北の都の幻灯事件――図像・映像による中国探索」の演者のおひとりとして、楽しいお話をしていただきました。
ご著書には『中華図像遊覧』(大修館書店、2000)、『いま見ても新しい古代中国の造形』(小学館、2001)、『しあわせ絵あわせ音あわせ』(日本放送協会、2006)、『天狗はどこから来たか』(大修館書店、2007)などがあり、いずれも中国図像学の楽しい世界を、わかりやすく伝えてくれるものばかりです。
人間が生み出したおもしろい図像と造形を、心から愛し、楽しみ、また、世にはびこる権威主義を徹底的に憎んだ杉原先生のお人柄は、これらのご著書からもうかがわれることと思います。
ご生前に賜わりました学恩に深く感謝するとともに、先生のご功績を偲び、本書を編集させていただきました。絶筆となった表題作とともに、初期の論文5編を収めました。学生諸君には、ぜひ本書を羅針盤として、アジア図像の大海に船出していただきたいと思います。
外部リンク
〔出版社〕集広舎の紹介ページ