内容紹介
本書は拙著『ネイティヴの人類学と民俗学:知の世界システムと日本』(弘文堂、2008年)の中国語訳です。『ネイティヴの人類学と民俗学』は、Native Anthropology: The Japanese Challenge to Western Academic Hegemony (Trans Pacific Press, 2004) を、日本人読者のために大幅な加筆修正をして、民俗学に関する三つの章を新たに加えたものでした。この中国語訳は日本語版の完訳です。
著者からのコメント
本にはすべての生き物と同じように命があります。命は有限ですので、本もいつの日か品切れとなり、僅かな古典を除いて忘れ去られます。旧文学研究科の出版補助を受けて刊行された『ネイティヴの人類学と民俗学』も例外ではありません。しかし、別の言語への翻訳というかたちで本は新たな命を授かり、生まれ落ちた土地とは違う文脈で新たな解釈が加えられることがあります。今回、商務印書館という中国屈指の出版社から刊行された拙著の翻訳が、中国そしてより広い世界で新たな道を歩むことを、筆者として願ってやみません。