2015.03.31

生と死を考える

宗教学から見た死生学
著者名:
宇都宮 輝夫(元教員)
文学院・文学研究院教員:
宇都宮 輝夫(名誉教授) うつのみや てるお

内容紹介

医療技術の発展や社会の高齢化に伴い、生と死をめぐる諸問題が社会問題として注目され、死生観の果たす役割も見直されています。本書では、宗教学を研究してきた著者が、「いかに生き、いかに死ぬか」「何によって、何のために生きるべきか」という究極の問いについて、死生観と宗教との関係で追求します。
 
(文学研究科ライブラリ8)

著者からのコメント

生と死を考える。これは、現在では多くの出版物がテーマにしています。しかしその多くが単なる個人的見解を披瀝したものです。本書は、「生と死とは何か」に関する多くの先人の見解をその根拠にさかのぼって吟味し、ふるいにかけ、その中でなお残るものを精査しました。しかし本書は、学説史の検討をするのが目的ではありません。人類の知的遺産の中から珠玉の知恵を選りすぐり、それに依拠しつつ私自身の考えを練りました。三十年以上に及ぶ思索の成果です。当然答えはひとつではあり得ませんが、考慮に値する答えは出せたのではないかと信じます。

ISBN: 978483293390-3
発行日: 2015.03.31
体裁:
定価: 本体価格2,000円+税
出版社: 北海道大学出版会
本文言語: 日本語日本語

〈主要目次紹介〉

序 章
第一章 人生の受容と死の受容
――老いゆく人生に向かいあいて気張りもせず絶望もせず
第二章 わずかばかりの勇気もて、死を迎えるを得ば
――受容と絶望のはざまで死への道を求めて

第三章 生まれて愛して死んでゆく、なんの不服があろうか
――生の意味の根底を求めて
第四章 死生観を学ぶこと、生死への勇気を得ること
第五章 死を前にした人への心のケア
――スピリチュアル・ケアと宗教
第六章 死別によって生に意味を見失う
――立ち直る力
第七章 生と死を考える