内容紹介
全国で郷土研究・郷土教育が流行した昭和の初めに、北端の日本領である樺太にも博物館を舞台にした住民たちの取り組みがありました。自分たちには移住地であっても、次の世代の郷土になることから、出版物や史跡の保護により、地域の文化を伝えようと試みています。
本書では、樺太の歴史や地名の研究を中心に、個人による活動が新聞紙面を通して広がり、行政機関である樺太庁の政策に反映された経緯をまとめました。
著者からのコメント
本書の表紙に掲載した樺太庁博物館は、1937年(昭和12)に竣工され、現在もサハリン州の博物館として使われています。特徴的な様式が目立ちますが、博物館には建物だけでなく、展示する資料と運営する人が必要です。また、開館以前に、博物館の設置を求める声や地域での研究の蓄積があるはずです。
では、一体、どのような人たちが資料を集め、調査研究に取り組んだのでしょうか。この問いを、本書の扉に掲載した樺太郷土会の記念写真が答えます。
移住地樺太で、新聞・雑誌記者や教員たちは、次世代の郷土として、地域の歴史や文化を研究しました。表紙の樺太の図形は、その成果の一つである樺太叢書の装丁から転載したものです。裏表紙には、民間で設置した資料館の写真を掲載しています。
本書は、日本領時代の樺太で展開された郷土研究について、舞台となった博物館の歴史、集い分かれていく人々の記録と、残された出版物から繙いています。ぜひ、本書を手に取り、博物館の扉を開いてみてください。
外部リンク
〔出版社〕北海道大学出版会の紹介ページ
