内容紹介
つねに複数の意味が錯綜し、かつ問題があちこちに埋め込まれ、ときにいったい何が問題なのかもはっきりしないのが「環境問題」。では、それをどう解決すればよいのだろうか。基地問題、中山間地問題、歴史的環境、獣害、再生可能エネルギー、気候変動、原発などをとりあげながら、環境社会学の蓄積を踏まえた解決方法、つまりは直線的な「解決」ではない、協働で順応的なプロセスとしての「解決」を多角的に論じました。
著者からのコメント
「やっかいな問題(wicked problems)とは、定式化できない問題、どこが終わりなのかはっきりしない問題、したがって何度でも「再解決」しつづけるしかない問題とされます。多くの「環境問題」は典型的な「やっかいな問題」です。したがってその解決自体も定式化できるものではなく、なるべく「小さな単位」で、現場に根ざしながら、試行錯誤を繰り返すプロセスしかないでしょう。現場でのアクターでもある環境社会学者たちが、この「複雑な問題をどう解決すればよいのか」という「やっかいな問題」に取り組んだのがこの本です。その意味で、これは「環境問題」に限らない、幅広い「社会問題」に取り組む人たちにもお役に立てる本だと考えています。
外部リンク
〔出版社〕新泉社の紹介ページ