内容紹介
1300年前に書かれた日本の正史のはじまり『日本書紀』。全三十巻の揃う江戸時代の版本を底本に、原漢文に徹底した注釈と平易な現代語訳をあわせ、現代の最先端の水準で〈読める〉『日本書紀』を目指した。上巻には天地開闢に始まり神々の活躍する神代から、初代神武天皇の出現を経て、日本武尊の活躍による国内平定を描く巻七までの範囲を収める。
著者からのコメント
『日本書紀』は古代の日本で書かれた歴史書です。そこには、天地の成り立ちから始まって、地上の世界がどのように形づくられ、そしてそこを天皇が治めることになったのか、またその天皇の統治がどのように広がり受け継がれてきたのかといった〈歴史〉が記されています。歴史といっても、それは古代の日本が自分たちのために求めた〈歴史〉であり、そこには『日本書紀』を作った人々の思想や世界観が色濃く反映されています。
神話が好きなら巻一・二の神代を、特定の人物や出来事を調べたかったらそれぞれの時代の巻をとりあげて読むのも良いでしょう。そうして興味を持ったら、今度は始めから通して読んでみてください。神話の中で語られたことや、あるいは過去の時代の出来事が、後の時代にどうつながってゆくのか、より深い理解が得られると思います。そのような一貫した「読める」注釈を、私たちは目指しました。
2016年にこの注釈のプロジェクトをスタートさせてから、最初の巻を刊行するまでに5年の年月がかかりました。これからも長い道のりになりますが、全3巻の完成に向けて進んでゆきます。
外部リンク
〔出版社〕講談社の紹介ページ