内容紹介
京都栂尾の高山寺は、鳥獣人物戯画をはじめ、多数の絵画、典籍、文書を有することで知られる。その経蔵に収蔵される典籍文書は、高山寺典籍文書綜合調査団により永年にわたって調査され、研究成果を蓄積してきた。本書はその最新の成果を集約したものである。高山寺経蔵の典籍文書は膨大であり、影印既刊のものが多いが、未紹介資料も少なくない。本書に示された新知見と新資料は広く人文学の研究の進展に寄与するであろう。
著者からのコメント
本書は、高山寺典籍文書綜合調査団が五十周年を迎えることをきっかけとして、それまでの調査研究の成果を集約したものである。調査団は、築島裕先生(東京大学名誉教授)がその代表として調査を遂行されてきたが、現在、石塚晴通先生(北海道大学名誉教授)が代表として活動を継続している。本学文学研究院の池田証寿が編集責任者となり、北大に勤務経験のある土井光祐氏(駒沢大学教授)、大槻信氏(京都大学教授)、白井純氏(広島大学准教授)、および札幌在住の徳永良次氏(北海学園大学教授)の協力を得て編集を進めた。この論集の第一部論考篇は、高山寺経蔵の典籍を俯瞰する論考からはじまり、平安鎌倉時代の典籍を中心にして江戸時代までに及ぶ論考を収録する。第二部の資料篇は、高山寺典籍文書の番号順に収録した。第一部論考篇では多くの新知見を示し、第二部資料篇では新資料を多数収録している。さまざまな学術分野の研究に貢献する論集となったと自負するが、残された課題も少なくない。今後は、さらに精進を重ね、学術研究に少しでも貢献することを願っている。
外部リンク
〔出版社〕汲古書院の紹介ページ