プロフィール
- 研究内容
紀海音と近松門左衛門を中心とする浄瑠璃の研究
- 研究分野
- 近世演劇
- キーワード
- 浄瑠璃、芸能、近松門左衛門、紀海音
- 文学研究院 所属部門/分野/研究室
- 人文学部門/表現文化論分野/日本古典文化論研究室
- 文学院 担当専攻/講座/研究室
- 人文学専攻/表現文化論講座/日本古典文化論研究室
- 文学部 担当コース/研究室
- 人文科学科/言語・文学コース/日本古典文化論研究室
- 連絡先
研究室: 425
研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。- 関連リンク
Lab.letters

江戸の涙を誘った愁歎場
近松、海音の魅力を分析する
近世浄瑠璃史の中で「日本のシェイクスピア」とも称された近松門左衛門の名前は皆さんもご存知のことでしょう。近松が竹本座の座付作者(専属作者)として活躍していた一方で、豊竹座には同じく座付作者の紀海音(きのかいおん)がおりました。この二人には単なる比較研究では語り尽くせない「異質な」持ち味があり、どちらも切磋琢磨しつつ等しく江戸の芝居を発展させてきたのです。
先行研究が圧倒的に進んでいる近松に対し、海音研究はまだまだ発展途上です。そこをうまくバランスをとりながら、二人の活躍した時代の浄瑠璃作品の特質を解明していくことが研究テーマです。
和歌やら物語やら何でも内包する
刺激に満ちた近世演劇の魅力
文学院における日本古典文化論研究室の特徴は、上代から近世まであらゆる時代の古典文化に対応できる厚い教員層で構成されていること。その中でも私の専門である「近世演劇」は、万葉集をはじめ、王朝物語やら謡曲、軍記物など、各時代を賑わせた文化的な要素が様々に集約されている、非常に刺激に満ちた分野だと言えます。学生指導については本人の自主性を最大限に尊重しながら、自立した研究者となるべく指導していきたいと考えております。
なお、伝統芸能を守るということは簡単なことです。それは実際に劇場に足を運ぶこと。学業の実りに加えて、若い皆さんの関心を劇場へ向ける観劇文化の育成にも尽力したいと思っています。
(聞き手・構成 佐藤優子)
メッセージ
ひとが好き。ひとと話をすることが好き。笑うことが好き。音楽が好き。スポーツ好きである。演劇や映画を観ることが好き。お酒の席がきらいじゃない。猫が好き。旅が好き。既成概念に捉われない。緻密な作業がきらいじゃない。没頭すると寝食を忘れることがある。けれど、寝ることも食べることも大好き。マイペースだが独創的。シャイだけれど心根は熱い。好奇心旺盛である。最善を尽くす。諦めは、わるい。そして、江戸時代の人や文化に、心惹かれる何かがある!――いま、私たちの近世ゼミにはこんな顔ぶれが集まっています。人柄も心惹かれる「何か」もそれぞれまちまちですが、全員仲良しで互いに刺激し合い笑い合いながら、自身の研究を深めています。
演習では、基本的には、ひとつの作品を参加者で分担し、調査と考察を発表し合います。近世の演習は特に、自由で穏やかな雰囲気が自慢です。学年などに捉われることなく話し合うことができます。時には演習室を飛び出して浄瑠璃の観賞に行ったり、書誌調査と徹底的に向き合ったり…と、活動も多岐に渡っています。文学や文化と、多角的に接することができます。
自主ゼミ・江戸文化研究会は、毎年、参加者で活動内容を決めています。他の人が提案した作品によって、思いがけない刺激や知識を得ることができます。面白い構想や「この作品をみんなで読んでみたい」という提案がある方は、ぜひ、遠慮なく企画をたちあげてください!(おいしい食べ物や飲み物にまつわる企画も、大歓迎です!)
研究活動
略歴
愛知県立明和高等学校卒、愛知県立大学文学部卒、名古屋大学大学院文学研究科(国語国文学専攻)単位取得満期退学、博士(文学)、名古屋女子大学文学部助教授を経て現職。
主要業績
- 『近松浄瑠璃と周辺』冨田康之著(新典社)令和5年2月
- 『海音と近松』冨田康之著(北海道大学図書刊行会)平成16年3月
- 「『冥途の飛脚』考 ――封印切の背景――」『国語国文研究 122号』平成14年11月、など
- 「紀海音と謡曲」平成11年11月『国語と国文学 第76巻第11号』
- 「海音世話浄瑠璃「三部作」考-〈滅罪〉の構想を中心に-」『国語と国文学 第69巻第6号』平成4年6月
所属学会
- 日本近世文学会
- など
教育活動
授業担当(文学部)
- 国文学演習
- 日本文学概論
授業担当(文学院)
- 日本古典文化論特殊講義
- 日本古典文化論特別演習
- 文献学(国語・国文)特別演習
授業担当(全学教育)
- 芸術と文学
おすすめの本
- 『うひ山ぶみ』本居宣長著(『増補本居宣長全集』吉川弘文館、日本思想大系『本居宣長』岩波書店、岩波文庫等に所収)。
研究を志す人にとって一度は読んで貰いたい必読の書。