太田 敬子

プロフィール

太田 敬子 教授 / OHTA Keiko
研究内容

中東におけるイスラーム教徒とキリスト教徒の関係史を研究しています。主に中東のキリスト教社会がイスラーム社会へと変容しているイスラーム化の歴史と、ムスリムとビザンツ帝国の関係史を研究テーマとしています。

研究分野
中東社会史
キーワード
中東史、アラブ社会、東方キリスト教、マイノリティ、イスラーム化
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/歴史学分野/東洋史学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/歴史学講座/東洋史学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/歴史学・人類学コース/東洋史学研究室
連絡先

研究室: 512
TEL: 011-706-4196
FAX: 011-706-4196
Email: keiko*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
東洋史学研究室太田 敬子 教授

イスラーム教徒とキリスト教徒
歴史的連続性を持つ中東社会史

東地中海世界は、古くからムスリムとキリスト教徒が隣り合って、或いは混ざり合って暮らしていた地域です。そこには古代からギリシア・ローマ、キリスト教やイスラームに関わる限りなく豊富な史跡が残されています。歴史の中で育まれた多様で豊かな社会は、一方で現在注目を集めているような様々な紛争の現場ともなっています。中東の現代と未来を考える際に歴史研究が担う役割は大きく、学問の社会的な貢献が求められる時代の声に応えるものだと考えております。史料研究に加えて、フィールドワークも平行してやりたいときは当研究室に在籍しながら、同じ歴史文化論講座におられる人類学の先生方からアドバイスをいただくことも可能です。多面的な指導で皆さんの探究心を応援します。

レバノンの地方都市ビブロスにあるローマ時代の遺跡と地中海。同市に残る遺跡群はユネスコの世界遺産に登録されている。
同じくレバノン北東部にあるデイル・カーディーシャーの街並。キリスト教徒の町として知られ、多くの教会が目につく。
マール・ムーサー修道院の壁画(シリア)。写真はいずれも太田先生撮影。

貸借依頼が来るほどの充実の資料
探偵の論理とカンで歴史に迫る

中東社会史研究にはアラビア語の習得が必須です。日本語や英語とも違う、これまで言語に抱いていた既成概念を打破するような面白みを持つ言語ですので、取り組みがいがあるのではないでしょうか。現在、私の研究室にある中東のキリスト教徒関係の資料は、学外の図書館からも頻繁に貸借依頼が来るほどの充実度を誇りますので、皆さんの資料探しも全面的にサポートできます。文献解読は推理小説を読むのと似たところがあり、各要素をバラバラにし、誰もが納得できる説を論理的に組み立てていきます。資料を自分のものにするカンを働かせつつ、探偵になったつもりで資料と向き合えば、歴史がさらに面白く感じられます。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

歴史文化論の研究室は「学際的アプローチ」を特徴としています。学際的とは、さまざまな学問分野の視点を融合させることです。この講座では、文化人類学、歴史学、思想研究などの専門家が協力し合って研究を行なっています。さらに、各教員が研究対象としている地域も、東アジア、中東、アメリカ、ヨーロッパと多岐に渡っています。この環境の中で、学生の自由な好奇心を尊重し、知る喜びを実感してもらえるような教育・研究指導を行なっています。

しかしながら、私の担当しているイスラーム文化論は、研究の手法としては実証的な史料研究に則った歴史学の手法を基礎としています。一方で、東洋史やイスラーム史といった縦割り的な分野設定を外して、中東社会を研究しようという方向性を持っています。中東というとイスラームと同一視されがちですが、様々な宗教や民族を包括する多様な社会を形成しています。歴史的にもイスラーム教徒がマジョリティになるのはかなり後のことです。イスラームの枠組みにとらわれない中東史研究をしてみたい方、またキリスト教をヨーロッパカトリック世界の枠組みにとらわれないで研究してみたい方は歓迎します。研究は文献学的に行いますが、歴史文化論という講座の特質として、フィールドワークを望む方にも対応できます。語学の研鑽が欠かせませんが、アラビア語などの史料を読み込んだ際の達成感は素晴らしいものです。

研究活動

略歴

東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程東洋史学専攻修了、同博士課程単位取得退学。北海道大学文学部助教授、同大学大学院文学研究科助教授を経て、同大学大学院文学研究科教授に就任、現在に至る。

主要業績

  • The History of Aleppo Known as ad-Durr al-Muntakhab by Ibn ash-Shihna, Keiko Ohta単著(Institute for the Study of Languages and Cultures of Asia and Africa on Tokyo University of Foreign Studies)1990
  • 『講座イスラーム世界第3巻 世界に広がるイスラーム』太田敬子共著 堀川徹編(栄光教育文化研究所)1995
  • 『岩波講座世界歴史10巻 イスラーム世界の発展』太田敬子共著 佐藤次高編(岩波書店) 1999
  • 『地中海世界史2、多元的世界の展開』太田敬子共著 歴史学研究会(編青木書店)2003
  • 『幻影のローマ』太田敬子共著 歴史学研究会編(青木書店)2006
  • 『ジハードの町タルスース−イスラーム世界とキリスト教世界の狭間−』太田敬子著(刀水書房) 2009
  • 『十字軍と地中海世界』世界史リブレット107 太田敬子著 (山川出版社) 2011
  • 『ビジュアル選書 十字軍全史:聖地を巡るキリスト教とイスラームの戦い』 新人物往来社編 ( 新人物往来社) 2011

所属学会

  • 史学会
  • 日本中東学会
  • 日本オリエント学会
  • 歴史学研究会
  • 地中海学会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 歴史文化論
  • 歴史文化論演習

授業担当(文学院)

  • 歴史文化学特殊講義
  • 歴史文化論特別演習

授業担当(全学教育)

  • 歴史の視座

おすすめの本

  • 『幻影のローマ』歴史学研究会編(青木書店)
    ローマ帝国という歴史上偉大かつ魅力的な存在を、時間的空間的枠組みを超えた様々な角度から分析しています。
  • 『ジハードの町タルスース−イスラーム世界とキリスト教世界の狭間−』(刀水書房)
    西洋史や中東史以外の研究者の方にも興味を持っていただいております。
  • 『十字軍と地中海世界』世界史リブレット107 (山川出版社)
    十字軍を海運史から取り上げた読みやすい本です。