研究と社会貢献教員一覧

北村 清彦

北村 清彦 教授 / KITAMURA Kiyohiko

所属専攻・所属講座
思想文化学専攻 芸術学講座
研究分野
芸術解釈学、環境美学、ヨネ・ノグチの美学
研究内容
ポール・リクールの哲学に基づきながら、現代の多様な芸術現象の理解可能性を明らかにするとともに、環境と芸術との関係について考察する。また近年はイサム・ノグチの父、詩人ヨネ・ノグチの思想の解明に取り組んでいる。
WEB site
キーワード
美学、芸術学、解釈学、環境、ヨネ・ノグチ
連絡先
研究室: 600
TEL: 011-706-4046
E-mail: kiyohiko*let.hokudai.ac.jp 
(*を半角@に変えて入力ください)

Lab.Letters 研究室からのメッセージ

大学ではじめて触れる
「美学」「芸術学」の輝き

↑「国際学会で訪れたシドニーのオペラハウス。いつかは一度ここで歌いたいなあ。」


 何を美しいと感じるかは人それぞれの感性の問題ですが、その感性を養う近道はありません。なるべく多くの「本物」に触れましょう。絵画、音楽、建築、文学から演劇、映画、そしてファッションやスポーツに至るまで、時代や地域、ジャンルもさまざまな作品と出会うことで、それまで知らなかった世界を発見し、そして自分でも気づかなかった自己を表現できるようになるはずです。芸術とは単なる物理的な「モノ」ではなく、こうした「作品との間に起こる出来事」なのです。美とは何か?芸術とは何か?作品とは何か?美と芸術について知性を磨き、想像力を働かせ、感性を研ぎ澄ませること。それは容易な課題ではありませんが、何にも代え難い喜びを私たちに与えてくれます。

  • 男声300人でベートーベンの第9を合唱しました。北村を捜せ!(東京、サントリー・ホールにて)
  • 北海道立近代美術館との連携授業。一般のお客様の前で作品解説をします。

美の現場に足を運ぶ実践授業
打ち込んだ達成感を胸に社会へ

 学芸員志望の学生が多いこともあり、授業には地元の美術館と連携し、現役の学芸員の方々の仕事ぶりを間近に見られる実践講義なども盛り込んできました。現場に足を運び、実際に体験することが、美学・芸術学に関わる者にとって何より大切なのです。
 就職活動では「大学で何をやったのか?」と聞かれます。広い芸術の世界から何かテーマを見つけ出し、解決を目指すとき、問題は芸術の範囲だけにとどまらず、今日の世界がかかえる諸問題―政治、経済、宗教、人種、性差など―へと展開してゆくことでしょう。芸術を考えることは世界を考えることなのです。ですから、一つのテーマに全力をあげて取り組んだ、その実績と達成感は、社会に出てからもみなさんの自信となって、いつも勇気づけてくれるものと確信しています。
(聞き手・構成 佐藤優子)

<メッセージ>
 私たちは毎日、新聞やテレビ、友人との会話などから多くの情報を受けとっています。けれどもそれが単なる一過性の刺激にとどまらず、生きていることを心の底から実感させてくれるようなことがどれほどあるでしょうか。芸術作品や美しいものが人間にとって大切なのは、そうしたかけがえのない経験を与えてくれるからに他ありません。そしてその経験をあらためて確認するために、また何とか友人と感動を分かち合うためにわたしたちは一生懸命、語り合うのです。
 しかしその議論が独善に陥らず説得的であるためには、美や芸術が従来どのように考えられてきたのかについての知識が必要ですし、またその議論を裏づける証拠が見つけ出されなければなりません。さまざまな考え方に触れつつそれを批判的に検討することで自らの芸術論を作り上げてゆくこと、また実作品に即した実証的な研究の積み重ねのなかから作品の価値を見出してゆくこと、そのようにして芸術活動への理解を深め、美的経験について反省することことが「美学・芸術学」の目的なのです。
 「芸術学」という名を耳にするのはおそらく初めてでしょう。「美学(エステティック)」といえばもう少し馴染みがあるでしょうか(けれども「美容整形」とは直接関係ない)。高校までの美術や音楽の時間は写生や合唱の練習、あるいは展覧会や音楽鑑賞に出かけたりすることだったと思います。それが得意な人にはとても楽しい時間であっても、そうでない人には苦痛だったかもしれません。けれども「美学・芸術学」は実技の修得が目的ではありませんから、絵を描くことが苦手だとか、楽器を弾けないなどということはまったく問題ではありません。出発点は芸術や美しいものを大事に思う気持ち、そして自分の言葉で美と芸術について語ることができるようになること、それが目指されるべき終着点なのです。

研究活動

略歴
静岡県清水市(現静岡市)に育つ。京都で一年浪人後、京都大学文学部入学、美学という学問があることを知る。卒業論文でフランスの哲学者ポール・リクールを取り上げて、以降彼の思想を芸術の問題へ適応させることが可能かどうかを考えている。島根大学法文学部を経て、1985年北海道大学文学部教授を経て、現職。
主要業績
  • 北村清彦『藝術解釈学-ポール・リクールの主題による変奏』(単著)、北海道大学図書刊行会、2003.

  • 北村清彦「構造主義・ポスト構造主義-宇宙論的芸術論-」、太田喬夫編『芸術学を学ぶ人のために』、世界思想社,1999.

  • Kitamura Kiyohiko, “Aesthetics and Cosmology”, International Yearbook of Aesthetics, vol 5, 2001.

  • 北村清彦「受け手の役割」、篠原資明他編、岩波講座『哲学』第7巻『芸術/創造性の哲学』、岩波書店、2008

  • Kitamura Kiyohiko,“The Aesthetics of Double Cultural Citizenship―The Case of the Japanese Poet: Yone Noguchi” ed. by Jale Erzen, the 17th Congress of Aesthetics, Congress Book II, 2009.
所属学会
美学会、美術史学会、北海道芸術学会、京都哲学会、Internal Association for Aesthetecs
関連サイト
芸術学講座
北大研究者総覧
researchmap

教育活動

担当授業(大学院)
美学文化学特殊講義、美学文化学特別演習、芸術学特殊講義、芸術学特別演習
担当授業(文学部)
芸術学概論、芸術学、芸術学演習
担当授業(全学教育)
北海道立近代美術館に学ぶ、芸術の理論と歴史
おすすめの本
森有正『森有正全集』全14巻・補巻1(筑摩書房) 静謐な思索、深まりゆく経験、そして存在の悲しみと喜び。フランスで客死した哲学者の言葉は私に深い共感を呼び起こします。
Page top