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掲載日:2019年02月01日

【学芸リカプロ】「資料取り扱いワークショップ」1/29 丸橋一史氏・山内秀雄氏の演習レポート

資料取り扱いワークショップ

講師:丸橋一史氏・山内秀雄氏(日本通運美術部 関西美術支店)

札幌市東区民センター運営委員会 河村利穂

本講義は、日本通運美術部の高度な運送技術による美術作品の取り扱いについて、ワークショップ形式で学びました。

まずは梱包資材となる綿布団と紙紐を作成し、作った資材を使って陶磁器の梱包を行いました。用いる紙の特性や、紐の結び方にも触れられ、一つ一つの作業行程にも専門業者としての高い実績が反映されており、講師の経験談をお伺いしながら作業が進められました。

続いて桐箱の取り扱い方法、紐の結び方、掛軸の陳列と撤収を実習しました。練習用の作品とはいえ、緊張感のある作業となり、これらの作業を初めて体験する受講生にとっては、実践から得られるものは非常に多く、一方、日頃から業務として行っている受講生にとっても、基本に立ち帰るとともに、新たな気づきや知識を深める機会となったのではないかと思います。

多くの作品を実際に見ること、触れることにより美術品を知り、その経験の積み重ねによって様々な作品に合わせた対応ができるようになるのだと、再認識する機会にもなりました。

講義の最後に「必要に応じて即席で収納箱を作成する」作業をご披露いただき、現場での対応力を間近に見ることができました。かけがえのない作品を取り扱う知識と技術、作品に対する最善の方法、細心の注意を払う心構えが体現された場面でした。

美術品の輸送は学芸員と運送業者とのチームワークであり、密な連携が不可欠であると思います。また、優先されるべき所蔵家の意向を確認することも学芸員の責務であり、これらを確立するためのコミュニケーション能力についても、学芸員に求められる重要なスキルであると思います。さらに、全体の作業をしっかりと把握すること、作業内容が妥当であるかを判断できる知識もまた、現場を取りまとめる立場にあっては大切であると感じました。

 

小樽芸術村 金澤聡美

本講義は、物を触りながら実践的に資料の取り扱いを学ぶ、ワークショップ形式で行われました。講師は日本通運美術部 関西美術支店の丸橋一史氏と山内秀雄氏です。

前半では、まず白薄葉紙の基本的な扱いを学びました。白薄葉紙は、資料の移送や保管の際に利用される、耐久性に優れた中性の和紙です。実際に紙を手に取りながら、紙紐や綿布団の作り方を学びました。また交代でお互いの腕を彫塑に見立て、紙紐と綿布団で梱包するという作業も行いました。普段は知り得ない「梱包される(作品)側の感覚」を体験することで、作品をどのくらいの強さで包めばいいのか、どこを押さえると固定されるのかを身体で知ることができました。

次に、陶器(壺)の梱包方法、及び桐箱の紐のかけ方について教えていただきました。

原則、床の上で作業を行うこと、また「下から上」に向かって梱包することなど、さまざまな基本のルールを学ぶと共に、実際に手を動かして壺の梱包、桐箱の紐かけを行いました。

後半では、掛軸の取り扱いを学びました。軸が収められている箱の開け方、軸のかけ方、巻き方、箱への収め方の正しい作法と共に、動作の悪い例やよくある間違いについてのお話もありました。

そして、最後にダンボール箱のかけ紐の締め方の実習と、立体作品に合わせたダンボール箱の作り方の実演があり、ワークショップは終了しました。

資料を取り扱う際の細かいルールは全て、「文化財を守るため」という理由が根底にあることに改めて気付きました。そして資料を扱う際は、その一つ一つのルールを守ることが何より大切だということを再認識した一日でした。

 

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