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掲載日:2019年01月11日

【学芸リカプロ】「企画展⽴案スキル(7) 作品、コレクターを結ぶ現場から」12/17 圓井愼一郎氏の講義レポート

作品、コレクターを結ぶ現場から

講師:圓井 愼一郎 氏(圓井雅選堂 古美術商)

小樽芸術村・学芸員 磯崎 亜矢子

本講義は、大阪で東洋古書画を主に扱う美術商「圓井雅選堂」の三代目店主・圓井愼一郎氏にお話をいただきました。

「美術商」は、茶道具など中国からの舶載品を扱う「唐物屋」や、書画を中心に鑑定を行う「取売」などがルーツで、美術品以外の古物を扱う「道具屋」とは分けて考えられています。

明治半ばから大正にかけて、社会情勢の変化によって、大名家や華族が没落して多くの資産が売りに出されました。一方で、明治半ば頃から収集を始めていた財閥系コレクターのほか、実業家や金融・証券関係者など新たな買い手が登場します。また、清朝の崩壊によって多くの作品が国内に流入したり、文部省展覧会(文展)が始まって近現代の価格上昇する機運が生まれたりと、美術市場は活況を呈しました。この頃に形成されたコレクションの多くは、根津美術館(鉄道業)や、大原美術館(繊維業)のように、のちに美術館として公開されています。

美術作品の取引は、明治20年頃から昭和20年頃まで、売却する品物を掲載した「売立目録」が作られ、各地の美術倶楽部で実施する「入札」によっておこなわれていました。ここで、分厚い売立目録を見せていただいたほか、箱書きや所蔵印などの作品の付属物からわかる情報についても紹介をいただきました。


分厚い目録を閲覧する受講生

最後に、美術館へのメッセージが語られました。なによりも「美しいもの」である美術品の魅力を伝えるために、五感を鍛え、海外の美術館の見せ方なども参考にして展示をしてほしいこと。地域の作家の掘り起こしを行い、後世に残していってほしいこと。先達の美術作品に向かう姿勢や熱意、密度の高い見方、「口伝」の大切さなど、圓井氏が出会った方々の具体的なエピソードに触れ、多くの作品や人にじかに出会うことを大事にしていきたいと感じました。

 

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