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掲載日:2018年09月14日

【学芸リカプロ】「企画展を装飾するギャラリートークと舞台芸術 ーアートが紡ぐ古代の物語ー」8/26の受講レポート

特論2:企画展を装飾するギャラリートークと舞台芸術 「アートが紡ぐ古代の物語」

 ポスターPDFはこちら

ソーゴー印刷(株)クナウマガジン 片山静香

「OKHOTSKオホーツク―終りの楽園―」は、千数百年前に存在したとされるオホーツク人の女性首長”姫長”を描いた人形劇です。作家は沢則行さん。本作品は人形浄瑠璃三人遣い、砂絵・切り絵、バロック音楽の生演奏を組み合わせ「フィギュアアートシアター」として上演されているものです。

フィギュアアートシアター終了後に行われたアフタートーク
人形劇師の沢則行氏(舞台右)とアイヌ・先住民研究センターの加藤教授(舞台中央)の対談
進行役は岡田真弓 創成研究機構 特任助教(舞台左)

今回は、加藤博文教授による考古学研究と劇との関連がテーマとして据えられ、対談も行われました。考古学史料と芸術表現の親和性もしくは創造性と、そこに生じる問題や“一般論”について考えさせられる内容でした。

沢さんの表現において考古学史料は着想のタネにすぎず、その先にどれだけ自由に、自分と客席が面白がれる形でイマジネーションを広げられるかが重視されているように感じました。ここでは必ずしも史実や一般論に完全一致させることは重んじられません。

同様に加藤教授からも、想像の世界で紡がれた物語が意外なところで実際の発掘や研究に活かされること、さらにはまだ発見されていない史実を予見する可能性も語られました。

重要だと思うのは、観客が何を求めて劇を鑑賞するのか。劇場の舞台上では、考古学史料の解説も、先住民と倭人の歴史背景も、物語を面白くするための予備知識のひとつにすぎません。研究成果(例えば水差し)をどういう切り口で見せるかを、場所やターゲット、モチーフ自体がもつ特性を考慮した上で適切に選び出すのが表現者(学芸員)の役割ということでしょう。まず観客に興味を持ってもらうことができなければ、表現の機会すらないかもしれません。研究への忠実さにこだわりすぎず、もっと柔軟に「表現として面白い」、「物語として面白い」を許容することができたら自分はどんな展覧会を創るのか。その良し悪しは現時点では判断ができませんが、視点を変えて考えることを純粋に面白そうだと感じましたし、そこに“美術館”にしかできない表現のヒントがあるように思えます。

 

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