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掲載日:2018年08月03日

【学芸リカプロ】「マスコミ事業部の展覧会企画」7/23高市純行氏の講義レポート

マスコミ事業部の展覧会企画
「今こそ企画力〜共催の新聞社の立場から〜」

講師:高市 純行 氏(毎日新聞社東京本社 美術事業部長)

亀丸由紀子(北海道博物館/文学研究科M2)

今回の講義では、“企画展のタネはひょんなところに落ちている”というテーマのもと、高市氏がこれまでに携わった企画展を例に、それぞれの企画展開催のきっかけやその成果、それにまつわるエピソードについて、時には裏話も交えながらお話を伺うことができました。

美術展成立の要件として、6W2Hを挙げられていましたが、中でも、特に、日蘭交流400周年を記念して2000年に開催された「フェルメールとその時代」展と、2013年に開催された「近江巡礼 祈りの至宝展」の2つの事例がとても印象的でした。前者については、今でこそ有名ですが、当時は国民の1割ほどにしか認識されていなかったフェルメールの名を、専門家や愛好家だけではなく広く一般や無関心層にまで知らしめ、鑑賞体験を提供したことは、一つの展覧会が成し得た成果として非常に大きなものであった、と感じました。ミュージアムで企画展や特別展を行う上で、“新たな客層の開拓”は常に課題であると思うので、広報戦略や情報収集といった現場で前述の6W2Hをどこまで具体的に落とし込めるかが重要である、とお話を伺いながら強く感じました。

また、後者の「近江巡礼」展については、きっかけが輸送屋さんからの一言であったということで、意外性のあるところから始まった企画が展覧会として構成されてゆく過程についてお話しいただきました。新聞社という組織を構成する事業部とジャーナリズムという2つの側面を効果的に利用した広報や調整の際のノウハウからも、自分の博物館にとって参考、応用できそうなヒントを得ることができました。

講義全体を通して、本当にひょんなところから始まった企画展の事例を通して、展覧会として成功するためには何が必要なのか、ミュージアムには何が求められているのかについて、共催者の視点からの貴重な意見を知ることができました。

最後に、講義のはじめに、“企画展のタネはひょんなところに”、とありましたが、実際に“ひょんなところ”に居合わせたとしても、そこにあるタネに気づけなければ意味がないこと、気づくためには、他館や専門分野外の展覧会へ足を運ぶことはもちろん、常日頃から自分自身の幅を広げる意識を持つことの重要性を、強く感じました。

 

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