仕事で挑戦できるのは自由に学べる文学部を選んだからこそ

プロフィール

橋本 梨紗子 さん(株式会社SmartHR 勤務)
北海道札幌市出身。札幌北高等学校卒業後、2012年4月に北大文学部に入学。文学部では心理システム科学講座*で音楽経験が言語処理に及ぼす影響について学ぶ。3年次にロンドン大学SOASへの交換留学を経験、2017年3月に卒業。2017年4月に入社した外資総合系コンサルティングファームを経て、2021年2月株式会社SmartHRに転職。現在、カスタマーサクセスマネージャーとして活躍中。

*2019年4月の改組により、心理システム科学講座は、心理学研究室となりました。

 

北大文学部を選んだ理由

幼い頃から「人」に興味があったこと、興味の幅を狭めずに幅広い内容を学んでみたかったことから文学部へ進学。特に2年次からは「人の心」についてより深く学びたいという理由から、心理システム科学講座を選びました。過去の経験が人の心に及ぼす影響、それに伴う行動の変化や身体の反応について深く学んでみたいと考えました。

文学部ではどんな研究を

音楽経験、特にピアノ演奏における「読譜」の経験が言語処理に及ぼす影響について研究しました。読譜経験が多い人はより先の譜面を見て演奏をしている(=1度に処理している情報が多い)という先行研究からヒントを得て、演奏を音読に置き換えた場合にどのような結果が出るか眼球運動測定装置を使用した実験によって調査をしました。

留学前に卒業論文以外の単位は取得済だったため、帰国後は指導教員の安達先生にご指導いただきながらじっくりと心理学実験を実施し、卒業論文を書き上げました。

北大文学部に行ってよかったですか

私にとって北大文学部へ進学したことは人生で最高の選択だったと思います。

文学部では文学だけではなく、歴史学や言語学、芸術学、心理学など「人」に関する様々なことが学べます。所属する講座の講義に留まらず、興味のある分野の講義を選択して受講できる環境は、私にとってとても居心地の良いものでした。

北海道大学にはたくさんの留学生が在学しており、彼らとの交流を通じて人の多様性や異なる文化について学ぶことができる素晴らしい環境だったと思います。特に国際交流科目(日本人学部学生が留学生と一緒に学べる英語で開講されている科目、文学部では20単位までを卒業要件単位の一部として認定)への参加は、日本にいながらにして留学生活を体験できるとても良い機会だったなと思います。

サークルはアカペラサークルに所属し、道内外でライブに出演経験もあります。同時に国際交流サークルにも所属し、北大に在学している留学生のサポートや札幌市民を対象とした国際交流イベントの企画などにも取り組んでいました。

国際交流サークルの活動で留学生たちとの交流を通じて、今度は自分自身が留学生の立場で、人や文化の多様性に触れながら海外で学んでみたいという気持ちが生まれ、2015年9月から2016年7月にロンドン大学SOAS(東洋アフリカ研究学院)へ交換留学しました。現地では英語に加えて国際ビジネスとメディアについて学びました。

北大はとにかく広くて綺麗で自然がいっぱいで北大祭などのイベントも楽しくて、青春時代を過ごすには最高でした!

在学中、大変だったことは

入学当初から、就職活動に関しては結構不安に思っていたかもしれません。

自身の興味や文学部で学べる内容の幅が広い分、「自分は結局、一体何をして生きていきたいのか」という疑問を常に抱いて過ごしていました。

交換留学を決めた時、私はすでに3年次後期だったため、就職活動については大きな不安を抱えたまま渡英しました。しかし現地で海外生向けの就職イベントにいくつか参加したことで、結果として最初の就職先を含む複数社から内定をいただくことができました。

卒業後から現在までの道のり

卒業後、2017年4月からは東京にある外資総合系コンサルティングファームに就職し、主に基幹システム導入プロジェクトのメンバーとして、システム要件定義や業務移行支援といった仕事をしていました。入社当初はシステムに関する知識が0だったため、かなり苦労しましたが、周りの人に助けていただきながら少しずつ知識を身につけていきました。イタリアやポーランド、インド、フィリピン、中国といった様々な国の自社メンバーや海外拠点のクライアントと関わりながら仕事をする機会も多く、留学経験を活かしながらビジネスの仕組みやITについて広く学ぶことができるとても刺激的な環境だったなと思います。

その後結婚を機に関西へ移住、新たなコミュニティへの出会いや、現在のライフステージに適した環境を求めて、2021年2月に「株式会社SmartHR」という人事労務SaaSの会社へ転職しました。

現在のお仕事の内容

現在は、「株式会社SmartHR」という会社で、カスタマーサクセスマネージャーという仕事をしています。

扱っているのは、現在も紙での業務が多く残る「人事・労務管理」の領域において、業務の効率化やペーパレス化を推進するプロダクトで、世の中の無駄な作業を少しでも減らし、より良い社会の実現に向けて全社一丸となって尽力しています。

中でもカスタマーサクセスマネージャーという職種は、初めてシステム導入をする顧客が確実に成果を出せるよう運用検討の支援をしたり、顧客から頂いた要望を社内に還元することでより良い製品開発に繋げたり、最近ではユーザー会という形で同じ人事・労務管理領域に関わるユーザーたちが繋がることができるコミュニティづくりなど、顧客の広い意味での成功を目指した幅広い業務を担っています。私自身は転職して日が浅く、まだまだ勉強の毎日ですが、周りの最高に楽しく素敵な社員の皆さんにご指導いただきながら、賑やかで楽しい日々を過ごしています。

大学で学んだことは今のお仕事に役に立っていますか

大学時代に培った「自分が興味を持ったことにはとりあえず挑戦してみる姿勢」や「自分と異なる背景や考え方を持つ人を受け入れ、協力して前進する力」は前職・現職ともにとても役に立っているなと感じます。文学部では興味のある講義を自由に受講できましたし、交換留学やサークル活動など「やったことはないし、できるかどうかはわからないけれど、とりあえずやってみたい!」という気持ちだけで何かに飛び込んできた経験がなければ、今の私はなかったかもしれません(当時はまさか自分がIT業界で働くなんて思ってもいませんでした)。

昨年12月に2014年〜2015年に北大へ留学していた皆さんでオンライン同窓会を開催しました。それぞれ住んでいる国も、卒業後の進路もバラバラですが当時の思い出や近況報告で盛り上がりました。中には日本で就職した方もいるので、卒業後も予定が合う際にはご飯に行ったり旅行に行ったり、今でも交流を続けています。

今後の目標・夢

仕事も家庭も笑顔で楽しく、刺激と平穏のバランスが取れた毎日を送りたいです。
毎日が刺激的すぎると疲れてしまうかもしれませんが、かといって何もない日々にはきっと耐えられない性分なので(?)自分の心や身体と上手に向き合いながら、周りの人たちとの日々を大切に、余裕を持って生きていきたいです。

後輩のみなさんへのメッセージ

北大文学部は本当に、皆さんの学びたいことを学ばせてくれる最高の環境です。

進学を決めた当初は「人について学びたい!」なんて、漠然とした興味しか持っていない高校生だった私ですが、ここでの出会いや環境によって少しづつ自分の興味を掘り下げ、様々な経験をさせていただいたことで、現在も納得のいく道を歩むことができていますし、ちょっとだけ自分のこともわかるようになった気がします(道半ばですが)。

北大で過ごす日々には勉強だけではなく、様々なサークル活動や部活動、イベントなど楽しいことがたくさんあります。社会人になってからも、たまに思い出しては笑えるような素晴らしい経験があなたを待っていますので、興味のある方はぜひ、迷わず飛び込んでみてください!

(2021年8月取材)