内容紹介
戦後のイギリスでは「衰退」が強調される一方で、福祉国家の下で「民衆的個人主義」が花開いたとされる。民衆的アーカイヴを駆使し、戦後史の分水嶺といわれる1970年代の社会が内包していた多様な可能性について、福祉や教育、ジェンダーやセクシュアリティ、移民と多文化主義、宗教とモラリズムなどの側面から明らかにする画期的論集である。
著者からのコメント
本書では、序章と第1章の執筆を担当しました。
「民衆的個人主義」は耳慣れない概念ですが、サッチャー時代のネオリベラル的個人主義に回収されない系譜の個人主義を発見しようとするイギリスの現代的関心を反映したものです。また第1章では1970年代のロンドン・ノッティングヒル地区の住宅占拠(スクオッティング)運動を取り扱っています。長年の文書館での史料調査の成果として読んでいただければ幸いです。
〈刊行後の反響〉
書評
- 2025年6月15日、『北海道新聞』、朝刊、<読書ナビ 読んでみた> 「サッチャリズム前夜の<民衆的個人主義>」長谷川貴彦編
外部リンク
〔出版社〕岩波書店の紹介ページ